毎週日曜日に更新の「誰でも無料で聴ける」ポッドキャスト（インターネットラジオ）番組「スタジオスモーキー」を主宰するカルロスです。

番組「スタジオスモーキー」はコチラ！

当番組の開始は、中国華南地区にある深センでの現地収録でしたが、その意味においては「スタジオスモーキーの原点は深センにあり」と言っても良いかもしれません。

第１回目の番組配信は2013年12月８日でしたが、その音源を収録したのは同年４月、ゴールデンウイーク休暇直前に出張で現地を訪れた時でした。当初は、当時出演していた別番組「義士庵」用に、と思って収録しましたが、紆余曲折があり、スタジオスモーキーの第１回目と２回目を飾る音源となりました。

Ｔママとの運命的な出会い

現地在住のＹｏｎｇさんに案内され夜の街に繰り出した僕、カルロス。未完成ならではの混沌さから来る強烈な熱気と、中国独特の騒々しさに軽く酔いながら街をさまよい歩きます。夕食を終えた我々は、彼の提案でとあるナイトスポットへにたどり着きました。

いくつかあった選択肢の中からＹｏｎｇさんが選んだのは、以前一度だけ来たことがあるという日本人相手のガールズバーのような店でした。扉を開けると、ビリヤード台が置かれた広いフロアがまず目に入り、次に「いらっしゃいませ～」という中国なまりの日本語による掛け声が耳に飛び込んできます。中を見渡す限り、いわゆるいかがわしい系の店ではないようです。そして、そこで出会ったのが今も続く付き合いのＴママでした。

「波長が合う」とはまさにこれ

僕は夜の店に行くと、まずは必ず店のママを口説く、もしくは年齢などの理由でそれにふさわしくない相手の場合は、仲良くなるよう精一杯の努力をします。なぜなら、やはり夜の店で一番いい女は、その店のママであるという考えがあるからです。また、当たり前ですが、店ではやはりママが一番の情報通であることも大きな理由です。

この時も、自身のポリシーに従いＴママを口説きにかかります。しかし、そこは相手も歴戦のツワモノ、なかなかうまくことは運びません。とは言え、仕事も含めいろいろな話ができ、その中で僕が好きなタイプ＝頭の良い女性であることを確信しました。Ｔママからも、まんざらではないような感触を得ることができました。ですが、この日はそれ以上に至る期待感はなかったので、電話番号を交換し（この当時はまだ中国のメッセージアプリ「微信（ウィーチャット、WeChat）」が普及していませんでした）、お開きとなりました。

翌日再訪でサプライズ

翌日。仕事はさっさと済ませ、取引先との会食もそこそこに、夜の自由時間を確保。時間にしてまだ21時前、これは再度Ｔママの店に行くか！　とタクシーに乗り込み移動を開始、概ね15分ほどで到着する距離感です。そろそろ着くころかなと思ったその時、なんとＴママから電話が入ります。

「あなた、今どこにいるの？」

「ああ、今取引先と飲んでいるけど」

「近くにいないの？」

「う～ん、そうだな、近くにはいないなあ」

「あなた、いつまで深センにいるの？」

「ん？　明日東京に帰るよ」と言った時、目的地にタクシーが到着。料金を払って車を降りました。

「え～、じゃあもう来ないの？」

「うん、今回は無理かなあ」と言った時にＴママの店の前に到着。

「次いつ深センに来るの？」

「う～ん、分からないなあ」と言った時に店のドアに手をかけました。

「え～、つまんないじゃん」

「そうねぇ」と言いながら店のドアを開けました。

「え～、なんで！！」

かなり驚いた様子で、少し涙目になりつつも満面の笑みで僕を迎えてくれました。インパクトを与えることには成功したもようです。

長い付き合いの始まり

その日は、来店客が少なかったこともあり、そのままＴママとマンツーでの会話を楽しみました。出身地や、この店を開くまでのプロセス、それに経営の大変さなど真面目な話が大半を占めました。その中で、Ｔママへの見方がある種の尊敬に変わっていくのも自覚。中国人女性特有のたくましさと、逆に中国人らしからぬ、言わば日本人的な気遣いとの絶妙なバランスを持ち、さらに経営者としても相当優秀な彼女に魅かれていきました。

そんな僕が彼女とどんな関係を築いていったのかを次回からお話します。今回も最後までお読みいただきありがとうございました！