【中国大陸で遊ぼう!】第38回 広大な中国の「地域性」を解説
ポッドキャスト(インターネットラジオ)番組「スタジオスモーキー」

毎週日曜日に更新の「誰でも無料で聴ける」ポッドキャスト(インターネットラジオ)番組「スタジオスモーキー」を主宰するカルロスです。

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前回までは、中国各地での思い出、特に女性を中心とした人と人との触れ合いや思い出を語ってきました。

広大なる中国大陸、僕の持論では「中国」という一つの国では括り切れないほど、各地におけるさまざまな違いがあると思っています。

さらには「世代間」においても、われわれ日本人には想像もつかないほどのギャップがあります。

まずは言語。

数多あるローカル言語はさておいても、主なところでは「標準語」として用いられる北京語、地域言語としては最大勢力を有するとみられる広東語(広東省の人口は2億人程度と言われています)、上海を中心とする上海語、さらには中国沿海部に当たる福建省を中心とした福建語と、主要な言語だけでも4つあります。

中国人同士の商談なのに通訳が必要

今から10年ほど前の話です。

出張で中国の広東省に行く機会がありました。その際の商談に同席したのは、当時の勤務先の北京支社の責任者、シンガポール支社の社長、当時の上司に当たる日本法人の社長、現地広東省の仕入れ先の社長、それに僕でした。

北京支社の責任者と広東省の仕入れ先の2人は世代で言うと、中国高度経済成長の「第1世代」に当たります。

北京支社の責任者は広東語ができず北京語と英語、広東省の仕入れ先の社長は広東語のみ、われわれ日本人組は日本語のほかに英語のみで、北京語ならびに広東語はまったく理解できません。

つまり、北京支社の責任者と広東省の仕入れ先の社長の間で直接コミュニケーションは取れず、われわれと広東省の仕入れ先の社長の間でも不可能。この状況で、どのようにして商談を進めていったのか?

ここにシンガポール支社の社長が同席した理由があります。シンガポールはいうまでもなく、華僑の末裔(まつえい)が多い土地。同社長もその系譜を踏む人間であり、広東語や北京語、英語(いわゆるシングリッシュ)、さらにはマレー語、インドネシア語まで自由自在に操るマルチリンガルなのです。

つまり、シンガポール支社の社長を要諦(ようたい)にして、商談が進んでいったというわけです。

同じ中国人同士の会話に、外国人であるシンガポール支社の社長が通訳として間に入り仲を取り持ちつつ、われわれ日本人には英語で説明をしてくれるといった、まさに彼の八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍ぶりは今でも目に焼き付いています。

ですが、そんなことよりも、中国人同士なのに言語によるコミュニケーションが成立せずに、通訳を必要とする状況に強い衝撃を覚えたことの方が、はるかに強く印象に残っています。

テレビ番組には字幕あり!

滞在先のホテルで手持ちぶさたになり、何気なくテレビをつけることがあります。まず驚くのは、その数え切れないほどのチャンネルの多さ!

一部ローカルのテレビ局もありますが、日本でいうとNHKに当たる国営放送の「CCTV(中国中央電視台)」だけでも15チャンネルほど(番組コンテンツごとにチャンネルを有するイメージ)を放映しています。

さらに驚くのは、映画やドラマ、ニュースを中心に必ず「字幕」が常時出ることです。先に国内主要4言語を挙げましたが、テレビ放映で使われるのは原則標準語の北京語になりますので、地方の、特に年配の視聴者にはいささか理解できない場合もあるわけです。なのでそれを補完する意味で、各地でローカル言語による字幕を付けているのでしょう。

日本の感覚で言えば考えられないことですが(東京発の番組に各地の方言による字幕を付けて放映しているようなもの)、広大な中国ですから、さもありなんという感じはします。

第2世代以降は北京語教育が進展

経済発展を遂げるには、何よりも意思疎通の合理化は避けて通れません。それなしでは、どうしてもスピード感が劣るからです。

前述の高度経済成長における第1世代とは(あくまでも僕の感覚値ですが)、2000年前後から特に急拡大した高度経済成長の第一歩を生き抜いた1960年生まれまでの人をイメージします。

これに続くのが、60年以降に生まれた、高度経済成長における「第2世代」の人々です。この世代の人々は、社会に出る前から高度経済成長の中で育ち、ある程度裕福な家庭であれば英語を中心とした外国語にも触れることができた世代でもあります。

そして、中国国内においても北京語教育が盛んに行われた第1世代ともいえ、この世代以降で一定の教育レベルを経過した人であれば、少なくとも北京語によるコミュニケーションは問題ないものと思われます。

これは中国において、経済成長を高速で促すのに必ず必要な要素であったと考えています。

以降の80年代生まれ(パーリンコウと呼ばれる)、あるいは90年代生まれ(クーリンコウと呼ばれる)の世代がどんどん実社会に進出していますが、彼らと第1世代との世代間ギャップは、日本のそれとは比べ物になりません。これは「良くも悪くも」という意味ですが……。

80年代、90年代生まれの、特に都市部で生まれ育った世代であれば北京語は元より、流ちょうな英語を話す人は珍しくもありません。さらには、日本を含む外国への留学経験者も数多く見受けられ、その視野の広さには驚かされることもしばしばあります。

なにせ、一度海外の自由な空気に触れた後に、未だ多くの規制が残る自国に戻っているわけですから、これら世代の人たちは物事への考え方が現実的かつ実践的、さらには野心的だと感じることが多いです。

このあたりには、世代間を超えて「上に政策あれば、下に対策あり」という伝統的な中国人民の処世術が受け継がれていると言えるかもしれません。

日本でも例えば、九州の女性は情に厚く男性を盛り立てるみたいな感じで、大まかにではありますが、地域においての特徴を挙げることができます。

広大な中国ともなれば、その違いはけっこうなものがあるように、個人的には感じることがしばしばありました。

次回は、そんな各地における女性の気質の違いについて、詳しくお話したいと思います。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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キャプテン カルロス
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2013年12月より開始の旅と街歩き情報を中心にお送りするポッドキャスト番組「スタジオスモーキー」主宰。
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巨乳には目がない。風間ゆみ命。

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