第39回 飛行機内で腹が立ったこと(後編)【嵐よういち・海外裏ロード】
嵐よういち・海外裏ロード

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嵐よういち撮影(以下同じ)

自己主張が激しい白人

あればブラジルのサンパウロからカナダのトロント経由で東京に帰る時だった。

サンパウロの空港には3時間半前に到着した。空港は狭くて古く、エア・カナダのチャックインカウンターが混雑するのを知っている俺は早めに行き、12時間以上が2回続く長時間フライトのために通路側の席を取った。

機内に乗り込んだ。「3―4―3席」の4の通路側に座ることができた。運の良いことにトイレにも近い。機内は満席に近く90%以上の搭乗率であろう。

俺の隣には白人女性が座った。前の列にはその旦那と2人の子どもがいた。たぶん彼らはカナダ人だろう。席なんて離れていても関係ないし、子どもたちも父親が面倒みればいい。それに4人一緒の席にしたいのなら、早くチャックインをすればいいのだ。

すると、前席の父親と隣席の母親がキャビンアテンダント(CA)の女性に何やら言っている。どうやら席を変わってほしいようで、CAは何人かに尋ねていて、俺のところにもやって来た。

「すいません。この親子が席を変わってほしいと言っているので大丈夫でしょうか?」と聞かれたので、「通路側ならいいですよ」と答えた。

だが、そうではないので断った。この路線は、白人カナダ人の自己主張が激しいのかどうかは分からないが、このようなことを機内に座ってから聞かれることが多かった。もちろん、通路側ならば気持ちよく代わってあげたのは言うまでもない。

赤ん坊が近くにいる恐怖

皆さんは機内で赤ちゃんの泣き声に辟易(へきえき)したことがないだろうか。仕方のないことは分かっている。両親も大変だろう。だが、疲れている時や眠い時に赤ちゃんが隣や前後の席にいる恐怖は皆、味わったことがあるはずだ。

俺はサンパウロからトロントまで12時間かけて移動し、そこで6時間のトランジット。そして機内に乗り込み、成田まで12時間のフライトが待っている。もうクタクタで爆睡しようと思っていたのだが、その便はなぜか、赤ん坊が何組も乗っていた。

彼らの泣き声や走りまくる騒々しさで、睡眠がかなり妨害されて俺はイライラしていた。もちろん文句も言えないし、嫌な態度も取れない。赤ん坊の近くに座る客はチケットを少し安くしてもらいたいものだ。そんなことを考えつつ成田に到着。だが、赤ん坊の健気な顔を見てしまうと、そんなことを考えていた自分に嫌悪感を抱いてしまうこともある。

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トルコのイスタンブールからコソボ共和国に向かった時のこと。利用したのは、格安航空会社(LCC)のペガサス航空。俺は荷物代を多く払っているので、席を選ぶことができて、3列席の一番前を取った。

その席は足が伸ばせるし広くて楽だ。この日はかなり早く起きたので、眠たくて仕方ないし、着いたらすぐに取材もしたい。俺はこのフライトを睡眠時間にあてようと計画していた。

さあ、寝よう。そう思って目を閉じると、子どもの泣き声が後部座席から聞こえてきた。見ると、1歳と3歳くらいの子どもを連れた母親と別の女性がいた。そして2列後方の席にもさらに小さい子供がいるではないか。嫌な予感がした。

飛行機に乗り込んでからなかなか離陸しない。どうやら少し遅れるようだ。俺は寝ようと目を閉じた。すると後ろの赤ん坊が甲高い声で大泣きし始めた。そして、隣の3歳の子もそれにつられて泣き叫ぶ。たまらない。付き添いの女性2人は最初のうちは子どもが泣き止むよう、一生懸命努力していたが、疲れ切ったのか、諦めてしまって放置である。

この1時間40分のフライトは朝が早く、ほかの乗客も眠りたいはずだが、それも不可能と知る。俺はまったく寝られないし、ウトウトしかけると耳元で「ギャー」と聞こえてくるのだ。殺意を覚える状況で、自分の運の悪さを呪ってしまう。

ほかの乗客もそれは同じようで、俺と目が合い、お互いに「仕方ないな」という仕草をする。子どもを連れた女性2人は疲れ切って放心状態。目的地のコソボに到着した時にはもうフラフラだった。このような席の場合、自分の運の悪さを呪うしかない。

俺を空気のように扱う6人組

ウクライナの首都キエフからジョージアの首都トビリシまでウクライナ航空で行くことになった。機内に入り、席に座ろうとした。3列が2つ並ぶ機材で、俺は通路側に座った。

だが、俺の周囲に陣取る6人グループがウザい。こっちがシートベルトを締めようかと思っていると、グループの連中が俺の前を行ったり来たりしてどんどん通るのだ。たぶん誰がどこに座るか相談しているのだろう。

普通だったらグループが陣取る席に他人がいたら気をつかうだろう。だが、彼らは俺を空気のように扱っていて、まるで存在がないかのように振る舞っている。俺はイライラしてきた。

もう離陸も迫ってきている。ほかの乗客は着席し、シートベルトを締めているが、俺は、この連中がウロウロするのでどうすることもできない。彼らはいったい何をしているのか。迷惑でしかない。CAの中年女性も困った表情を浮かべている。

すると、俺の隣にいた中年男性がCAに何か言っている。CAは俺に現地語でなにか言ってきたので「英語で頼む」と言うと、「すいませんが、このお客さんが窓側の席に変わってくれと頼んでいます」と言ってきた

絶対に嫌である。ふざけんな。俺はやんわりと言う。

「俺は通路側がいいんです。それもチャックインの時に伝えていますし、変わりたくないです」

「そうですよね。そのように伝えます」

彼女は俺にかなり同情しているのが分かる。彼女も礼儀を知らない客らに難儀しているのだろう。彼女が彼らに説明すると、俺に特に文句を言うわけでもなく、大人しく座ったのだった。

あ~気分が悪い……。

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この記事の作者

嵐 よういち
嵐 よういち
旅行作家、旅行ジャーナリストをやっています。
代表作は、海外ブラックロード・シリーズ。
海外ブラックロードpodcastをクレイジー・ジャーニーで話題の丸山ゴンザレスと二人で週に1回配信しております。
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