先に栃木県宇都宮市の歓楽街で３泊４日にわたる突撃取材を敢行。その後、自宅に帰る前に、埼玉県の大宮駅で電車を乗り換え、中学、高校の６年間を過ごした川越に寄り道した。

神奈川県茅ケ崎市に自宅がある自分がなぜ、埼玉県川越市の学校を選んだかというと、アホだったからである。親は中学受験を強いてきたが、受験勉強をまともにしていなかったため、神奈川の湘南や横浜だけでなく、東京都内でも受かりそうな私立中学がなかった。大して勉強しなくても、早稲田実業くらい受かるんじゃないかと楽観視していたが、とんでもない勘違いだった。苦肉の策として浮上したのが、当地の私立校である。

いざ入学すると、校則がやたらと厳しく、青春時代の６年間、朝から晩まで苦悩の連続だったが、耐えがたきを耐え忍びがたきを忍んだ結果、どんな環境でも生きていけるたくましさを身につけることができたと感謝している。約20年ぶりに学校の周りを歩いてみると、当時の記憶がよみがえってきて、涙が出そうになった。

これまでの半生を振り返ってみると、よく覚えているのは、中学、高校の修行のような６年間や大学受験浪人の１年間、バンコクで不慣れな商社マンとして働いた１年間、タイ人妻と離婚協議を続けた１年間など苦しい時期ばかり。楽しかったころの記憶はなぜかほとんど残っていない。来年以降はまた苦しい時期に突入するかもしれないが、勇猛果敢（ゆうもうかかん）に挑んでいきたい。（新羽）