第41回 野宿の災難、中央アジアの旅(後編)【嵐よういち・海外裏ロード】
市場を歩く野宿(右)

野宿が宿に戻ると奇跡が……

キルギスのビシュケク空港の搭乗口にいる時から、一緒に旅をした「野宿」のことが心配だった。また何かとんでもないことに巻き込まれているのではないか、そんなことを考える。俺がタイの首都バンコクに到着した数日後、連絡のない野宿にLINEメッセージを送ると「今、大阪です。これからバスで東京に戻ります」と安心させる報告があった。

帰国した後、東京都西荻窪の居酒屋で野宿に話を聞くことができた。

俺と空港で別れた野宿はとりあえず、リュックサックの中にしまってある銀行の封筒を出そうとしたが……どこにもない。リュックをひっくり返して探すがないのである。

リュックには現金800米ドル(約9万円)が入っている。奥に入れていたので盗まれているとは考えなかったようだ。さあ、どうしよう。頼りにしていた800米ドルがないのである。全財産はわずかだ。

本来の野宿だったら、インターネットで翌日の日本行きチケットを取り、空港内か、ダメだったら外で寝るだろう。水はどうにかなるし、非常食用に買っておいた「スニッカーズ」も2つある。

市場を歩く野宿(右)

市場を歩く野宿(右)

だが、野宿は少し風邪気味だった上、俺から預かった宿の鍵をオーナーのタツノリ(前回記事参照)に返しに行きたかった。残金は少なく、宿には泊まれそうもないが、とりあえずタクシーに乗って、少し前まで滞在していた宿に戻った。

宿に戻ると、タツノリが「おい、どうなっているんだ!?」とかなり驚いている。それはそうだろう。野宿はスマートフォンの翻訳アプリを駆使し事情を説明。そしてお金を紛失したことを伝えると、彼は「あのお金はやっぱりきみのだったんだな!」と叫んだ。

謎の封筒事件が発生

あれは4日前にさかのぼる。

俺と野宿は、そのタツノリ宿にチャックインした。ツインベッドの部屋がなかったのでシングルを2部屋取った。それぞれ米ドルで宿代を支払うことにしたが、野宿の1米ドル紙幣が1枚ボロボロだった。

キルギスでは、汚い紙幣は受け取ってくれないことが多く、タツノリは「きれいな札にしてくれと」と要求してきたので、それを野宿に通訳。野宿は封筒からきれいな紙幣を選んで渡した。

それから1時間後、俺がレセプションの前を通ると、タツノリが「あの~きみ、封筒に入った金をレセプションに忘れていかなかった?」と聞いてきた。

「は? なんですか、それ」

突然、わけの分からないことを尋ねられたので驚いた。

「レセプションに金が置かれたままだったんだよ。だからさっきチャックインしたきみらかと思ってね」

「俺じゃないですよ。金なんて置いていくやつがいるんだね」

「そうなんだよ。きみの友だちにも聞いておいて」

それを野宿に伝えると、「知らない」という。それをタツノリに伝えたが、「おかしいな」と首をひねっている。誰かドジな旅行者が忘れたのだろう。

ビシュケクの街には寿司バーもある。

ビシュケクの街には寿司バーもある。

翌朝、朝食を食べ終わった俺は外でタバコを吸っていると、タツノリが走ってきた。

「昨日話した、お金の持ち主がまだ現れないんだよ。確認だけど、本当にきみのじゃないの?」

「違います」

「では友だちにまた聞いてくれないかな」

俺は野宿の部屋に行ってそれを伝えたが、「僕じゃないです」との返事。それにしてもよく分からない状況である。

戻った現金でチケット再購入

空港から宿に戻った野宿は、タツノリからお金のことを再度伝えられ、それは自分のものに違いないと確信。なぜその前に気が付かなかったのか理解に苦しむが……。

封筒はタツノリの家の金庫に保管されてあり、後で持ってくるという。それにしても正直でいい宿だ。日本並にしっかりしている。海外には、平気で客の金を盗む宿も多い。

タツノリは野宿に対し、念のため尋問を行った。

●いくら入っていたか?
●古い1米ドル札があるか?
●封筒の特色

などの質問に答えると、野宿のものと認定された。

野宿はその後、宿に泊まることになり、タツノリと食事。部屋に戻って、中国北西部の新疆(しんきょう)ウイグル地区の首府ウルムチと、中国四川省の成都と2回も乗り継ぎのある最安5万円のフライトを予約した。

普通にしていれば東京に着いた時点で800米ドルを日本円に両替できたのに、自分のミスのせいで5万円の損失を計上したことになる。

翌日、ビシュケク空港からまずはウルムチに到着。俺も経験したが、ここは政治的問題もあって非常に空港警備が厳しい。というか、異常である。

俺もライターを取られるだけならまだしも、チャックイン後に別室に呼ばれ、預け荷物を係員にチェックされた上、どこの空港でもOKな乾電池を機内持ち込みの方に入れろと指示された。しかも、やつらの態度がかなり悪くて頭にきたものだ。おまけに係員は英語も満足に話せない者ばかり。

野宿はウルムチの空港のセキュリティ―チェックで英語の質問に答えられず、別室に移動。荷物を全部チェックされ、スマートフォンの写真や動画、メールを全て見られた。どうにか解放されて成都経由で関西国際空港に到着。大阪のバスターミナルから新宿までの夜行バスは、わずか1560円だった。この日は火曜日だったが、利用者が少ないのでどこのバス会社も格安の夜行バスを運行していたようだ。

野宿はツイッターなどで惨状を伝えていたが、仲間からは「FC東京が勝った」「競馬で~」といった返信ばかり。心配していたのは、俺と知り合いのお笑い芸人の2人だけだったそうだ。確かに、俺がもし日本にいてそれを知っても同情はしないだろう。

「それにしても自分のせいとはいえ、災難だったよな。金も損したし」

ウーロンハイを飲みながらそうたしなめると、野宿は驚いたことを言う。

「いえ、もしチケットが問題なくてそのまま帰国したとしても、新宿の両替所でリュックから封筒を出そうとした時に、紛失したことに気付いたら絶望的じゃないですか。だから9万円が戻ってきて、航空券5万円とその他5000円で5万5000円。差し引き3万5000円もうかりましたよ」

こいつどこまで幸せなんだよ……。

「ところで、俺と別れた後に野宿が撮った写真、今度使わせてもらうから頼むよ」

「あの~、なぜか分からないけど、そこの部分の写真データが全部なくなっていました」

「……」

この男につける薬はないようだ。

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この記事の作者

嵐 よういち
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旅行作家、旅行ジャーナリストをやっています。
代表作は、海外ブラックロード・シリーズ。
海外ブラックロードpodcastをクレイジー・ジャーニーで話題の丸山ゴンザレスと二人で週に1回配信しております。
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