第47回 ウズベキスタンとキルギスの移動 後編【嵐よういち・海外裏ロード】
ヒヴァの街。神秘的である。

ヒヴァからヌクスまでの移動

古都・ヒヴァからヌクスという田舎町まで移動することになった。

シェア・タクシーで行く方法があるが、時間がかかるし、俺と『野宿』は腹の調子が悪く、一刻も早くヌクスに着きたかったので、宿に頼んでタクシーを一人20ドルでチャーターすることにした。
車は走り出すと、砂漠地帯の単調な道を走っていき、5時間弱で到着した。体調が悪かったのでこれしか選択肢がなかった。

ヒヴァの街。神秘的である。

ヒヴァの街。神秘的である。

ヌクスからタシュケントまでの移動

ヌクスから首都のタシュケントまでは凄い距離があるため、飛行機を使ったが、運賃は8000円で安かった。
ホテルから空港までは徒歩で7~8分で、空港は小さく、ノンビリしているのか、チェックインは1時間前から開始され、乗客は韓国人と欧米バックパッカーばかりであった。

タシュケントからアンディジャンまでの移動

タシュケントからフェルナガ盆地にあるアンディジャンまでは列車で移動することにした。その街まで行き、国境を越えてキルギスに行くのだ。
まず、タシュケント駅でチケットを購入。出発駅はチケットを購入した駅とは違い、少し離れた『サマルカンド・ユーニ』なる駅であった。なんてややこしいのだ。ちゃんと聞かないと間違えてしまう。

列車は朝7時発だ。早すぎる。
ホテルの朝食も食べられなかったが、乗ってからは楽で、7時間位で到着。この区間は噂通り、山間を抜ける景色が素晴らしい。

アンディジャンからキルギスのオシまで移動

アンディジャンは人口35万人のウズベキスタン第4の街で、アンディシャン州の首府である。ウズベキスタン東端のフェルガナ盆地に位置し、キルギス共和国{以下キルギス}の国境近くにある。

アンディジャンの街。『野宿』が怪しげなジュースを飲んでいる

アンディジャンの街。『野宿』が怪しげなジュースを飲んでいる

オシはキルギス第二の都市で、両都市は陸路で行き来できる。一昔前は国境で賄賂を要求する兵士などが多かったようだが、現在はかなり平穏になったとの情報を得ていた。

国境まで

宿を朝9時に出た俺と野宿は、シェア・タクシーが集まっている場所まで歩いて行き、そこで交渉して国境まで連れて行ってもらう。思っていたよりも遠く、着いたら野宿が「僕、国境越え、初めてなんですよ」と喜んでいる。
とりあえず出国審査に並ぼうとすると、長蛇の列だ。億劫だなと思っていると国境警備隊が近づいてきて「ツーリストか? 」と訪ねてきたので、「そうだ」と返すと、「こっちに来い」と手招きして並んでいる地元民をかき分け、先頭に並ばせてくれた。

出国審査を待っていると勝手にババアが割り込みをしてくる。中央アジアの人は割り込みをしてくる者が多い。どうしたらいいのか、と思っていると係官がババアを注意して俺の後ろについた。

ウエルカム・キルギスタン

キルギスの入国審査が終わり、出口に向かうと銃を構えている兵士がいた。そこでパスポートのチェックがある。
男は俺を一瞥すると笑顔で「ようこそ、キルギスタンへ」と言ってくれる。このような態度でこられると、それだけでキルギスに好感がもててしまう。賄賂を請求してきたり、差別的で失礼なことをされるとそれだけでその国のことが嫌になってしまうものだ。

ウズベキスタンとキルギスの国境

ウズベキスタンとキルギスの国境

国境には両替所があり、タクシーがたくさん待っている。陸路の国境越えの中では楽なほうだ。

オシからトォクトグルまで移動

かつてソビエト連邦の地味な位置づけにあったキルギス共和国の第二の都市・「オシ」は小さな街だ。活気があるとはいえないし、ノンビリとしているが、中国人が目立つし、彼らの運転するトラックも走りまわっている。

オシから首都のビシュケクまで移動したかったが、航空券は高く、シェア・タクシーで12~13時間もかかるらしいのでビシュケクとオシの中間地点にあるトォクトグルという街で1泊しようと思っていた。

この移動は失敗した。まず、泊まったホテル・スタッフの英語が流暢だったので情報をいろいろと聞きまくれば良かったのだが、中央アジアの旅も後半で、これまで変なトラブルもなかったので安心して特に尋ねようともしなかった。
そしてネット環境が悪く、事前情報がなにもとれなかったのだが、それでもどうにかなるものかと楽観的であった。

呑気に出発したが・・・

本当であったら中心街から少し離れているバスターミナルから朝7時のトォクトグルまでのダイレクトのバスがあったのだが知らなかった。
俺は旧市街の市場に集まるシェア・タクシーに乗ればどうにかなると気軽に考えていた。

俺たちは朝食を食べ、ホテルでタクシーを呼んでもらった。スタッフの女性は綺麗で、英語も上手いのでここでも聞いとけば良かったのだが、特にそうすることはしなかった。
タクシーが到着した。運転手はモンゴル系の、若くてガラの悪い男だった。話しかけてくるが、現地語とロシア語しか話せない。

しばらく車を走らせると、市場の反対側で車が止まった。どういうことだろう。俺は事情を説明すると運転手は
「じゃあ、場所はここではないじゃないか。バスターミナルって言わないとダメだよ」
と言う。確か市場からシェア・タクシーがあるはずだけど、と思ったが、この男はバスターミナルまで行かないといけないという。

俺はなにか釈然としないので、シェア・タクシー乗場まで行ってくれと抗議すると、埒があかないのか運転手はホテルに電話をかけ、俺はスタッフと話した。その女性によると「あなたは行き先を間違えていた。トォクトグルに行くのならバスターミナルに行かなければならないのよ」と。
そこからタクシーを飛ばして20分で到着したが、トォクトグル行きはもう行ってしまってなく、ジャララバードという街で乗り換えのようだ。

オシのシャア・タクシーが集まる場所。ここから乗るはずだったのだが・・・

オシのシェア・タクシーが集まる場所。ここから乗るはずだったのだが・・・

5時間待ち

オシから2時間でジャララバードに到着。そこでチケット売場に行くと「バスは5時間後です」と言われる。絶望的な長さだ。
待ち疲れ、やっとミニバスが到着して乗り込んだが、そこから休憩もない状態で7時間。トォクトグルに着いたのは夜11時前だった。クタクタであった。もうこのルートは嫌である。

トォクトグルからビシュケクまでの移動

トォクトグルは田舎町だが、郊外は景色がいいらしい。少し観光でもしたかったが、夜遅く到着し、翌朝も早く出発しなければならず、なにも出来なかった。
俺たちが泊まったトォクトグルの宿のすぐ前にシェア・タクシーが集まる場所があった。

出発は朝7時と聞いていたので10分前に到着するが、10人乗りのミニバンは満席にならないと出発しないので、その状態で1時間待機。
運のいいことに席は一番楽な助手席だ。休憩を一回挟み、5時間で首都ビシュケクの中心街に到着した。

トゥクトグルからビシュケクまでの道

トォクトグルからビシュケクまでの道

最後に『野宿』がやらかす

振り返ると、二人だったので良かったが、一人だとツラいものがある。陸路移動の利点は料金が安い、それにつきる。景色にもだんだんと飽きてくるし、疲れている時はただ、ボケ~と外を眺めているだけである。それが旅の良さでもあるのだが。

シェア・タクシーはビシュケクの中心部に停まり、そこからホテルまでのタクシーに乗り込んで1分後、信号で車が止まると野宿が叫んだ。

「ヤバいです。嵐さん」

「どうしたんだよ? 」

それに答えずに野宿は、車の助手席から降りようとしている。運転手も突然のことで驚き

「なにがあったんだ? とりあえず危ないから乗ってろ」

野宿は言う。

「乗っていたシェア・タクシーの中に8000円する充電器を忘れてきました」

それを聞いた運転手は急いでその場所に戻ったが・・・もうシェア・タクシーの姿はなかった。
最後の最後に、野宿は何やってんだか・・・。

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この記事の作者

嵐 よういち
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旅行作家、旅行ジャーナリストをやっています。
代表作は、海外ブラックロード・シリーズ。
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