第51回 中央アジアで食べたもの(1)【嵐よういち・海外裏ロード】
新疆ウイグルで食べたもの
昨年10月に中央アジアから戻って来て、いろんな人に「中央アジアの食べ物ってどういうの? 」「どんなものを向こうで嵐さんは食べていたの? 」と、食についての質問が多かった。
俺が新疆ウイグル、ウズベキスタン、キルギスで食べたものを数回に渡って、現地食以外も取り上げて書いてみたいと思う。
ウルムチ
俺と映像カメラマンのホッシーが新疆ウイグルのウルムチに到着したのは深夜だった。
翌朝、俺たちは空腹であった。ホテルの数軒隣に牛肉麺を出す店があった。牛肉麺は主に台湾が有名で、煮込んだ牛肉を小麦の麺に入れる、ラーメンというよりも沖縄ソバに似ている感じがする。そこの店は24時間営業らしく、中に入るとメニューはなく、英語も全く通じない。店のスタッフは中国語で一方的にまくし立ててくる。
俺たちは店内に貼ってある写真の牛肉麺を指さすと、5分でやってきた。味は普通だが、麺は延び延びでコシはないし、特に美味しくはなかった。ウルムチでは人民公園の近くでも牛肉麺を食べたが、同じレベルであった。
初めてのウイグル料理
観光客が集まるウイグル人地区にやってきた。ここには屋台がたくさん出ていて、せっかくだから地元料理を食べることにした。ウイグルの食文化だが、トルコ系民族の歴史が基になっているようで、農耕と牧畜文化に影響される隣国、カザフスタンやキルギスと共通する料理が多い。更に調理法などで、回族や漢族からの影響もある。
ホッシーが店でマンタを買ってきた。これは中華マンに似ているもので、ラム肉を小麦粉の生地で包み蒸して、コショウなどの香辛料を付けて食べる。食してみるが肉のカスが歯に詰まるし、それほど美味しいとは思えない。
その次にホッシーが持ってきたのは『ポロ』。これはピラフと思えばいい。鍋に羊肉の塊と脂肪を入れ、千切りニンジンと玉ねぎを入れて炒め、米と水を加えて煮込み、鍋をふきんで包んで蒸らす。肉は調理の途中で取り出すようで、食べる時には大きな肉をドン! と乗せる。
ウイグルではわからないが、ウズベキスタンでは朝に作り置きするので、夕方には油が染み込んでかなり重くなり、食べている最中に胃がムカムカしてきて数日後、腹を壊してしまう可能性が高い。
初めて食べたが、出汁が効いていてそれなりに美味しく、肉は手で食べるので汚れ、歯に食べかすが残ってしまう。ウイグルは1600年代にイスラム教を国教にした歴史がある。よって、コーランに示された規律に従った料理になったので、ウイグル料理とはムスリム料理である。口にすることを許された食材としてハラールを用いた料理になっている。
火鍋屋に入ってみる
ウルムチ最終日、俺はホッシーに言う。
「なんか美味しいもの食べたいな」
「僕がネットで調べますよ」
奴はスマホを取り出し、それの地図を頼りに夜道を歩いていくと一軒の『火鍋屋』を見つけた。ホッシーが言う。
「ここの店、評価が高くて安そうだしイイですよ」
俺たちは中に入り、二階に通されたが、一抹の不安があった。ここは観光客など来ないような店だが言葉は通じるのか?
二階席は広く、客が数組いる。スタッフの女性がやってきたが中国語を一方的にまくし立てるだけでなにを言っているのかわからない。ホッシーが唯一知っている中国語「冷たいビール」と伝え、それには頷くものの、更に相手はなにか言ってくる。
ホッシーはお得意のスマイルで応酬。どうやらここにはメニューがないらしく、好きな具材を隣の大部屋から取ってきて、スープの種類を二つ選ぶらしい。
激辛のスープは辛さが容赦ないものの美味しく、白いスープもさっぱりして美味。1時間後、俺たちはそれなりに堪能した。トイレはなぜだか血で汚れていて汚かったが、羊肉はおいしく、値段も安いし、入って良かったと思った。
生稲の笑顔
会計は下の階で払うようだ。俺たちは4人のスタッフがいる前を通り過ぎる。笑顔で「シェイシェイ」と言うと、相手は笑顔で返してきたが、一人の女性が意を決するように日本語で「ありがとう」と言う。俺たちもそれに日本語で返すと、みんな、なぜだか大喜びだ。そんな調子でキャッシャーに行くと、元おニャン子クラブの生稲晃子に似ている可愛い女がいた。彼女が責任者なのだろう。上からの電話で報告を受け「彼らは日本人でありがとうに反応したよ」とか、話しているのかもしれない。
『生稲』が笑い、俺たちに片言の日本語で話しかけてきて喜んでいる。テレビとかで覚えた日本語でも試したいのか。俺は日本語で「君、可愛いね」と言うと、それがわかったのか、会計の後、嬉しそうな顔をしながら
「二人にペプシかスプライトをあげるけど、どっちがいい? 」と尋ねてくる。俺らは喜んで『生稲ペプシ』をもらう。ちなみに、そのペプシだが、翌朝に飲んでいる途中、大量にこぼしてしまった……情けない。
最悪の食堂車
俺たちはウルムチからカシュガルまで17時間かけて寝台列車で移動することにしたのだが、一等寝台にしたにも関わらず車両は古いし、トイレは駅に停車すると使用禁止になり、ビールばかり飲んでいる俺たちは尿意との戦いをするはめになるし、そのトイレは一車両に2か所あるのだが、必ずどちらかが詰まっているので、悲惨な場面をその都度見るはめになって、あまり快適ではなかった。
俺たちの隣の車両に食堂車がある。俺は食堂車が好きで、昔は新幹線でも利用するのが楽しかったし、ヨーロッパでも堪能してきた。事前に寝台車の食堂車をネットで予習をしていたが、なかなか快適そうである。俺は麻婆豆腐とビールでも注文して、ポッドキャストの収録でもしようと思って楽しみにしていた。
だが、一歩中に踏み入れるとソコは人だらけ。なんでこんなにいるのだろう。食べているのは3割ぐらい。どうやら、『無座』という、席のない客が勝手に占拠しているようだ。テーブルの上にはビールやつまみが無造作に置かれ、値段が貼られている。必要な人は勝手に取って金を払う、中国でよく見られるシステムのようだ。
レストランのメニューは驚いたことに水餃子のみ。それなら余程味に自信があると思いきや、冷凍餃子を解凍したものに出汁も全くない味気ないスープに、黒酢と醤油でいただくのだがかなり不味く、隣で食べていたウイグル人は半分も食べずに残していた。最悪の食事であった。
最悪の気分のまま自分の席に戻り、一晩寝て、カシュガルに到着した。
続く
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