“彼女”の優しさに触れる【新羽七助のゴーゴーバージャーナリストへの軌跡 第10回】

1月30日の誕生日をミントと過ごし、2月に入ると、会社の総務部から宿泊中のサービスアパートに関する通達を受けた。
「『BUプレイス』の無料宿泊期間は2か月間なので、他の住居を自分で探してほしい。でも、すぐに見つけるのは難しいだろうから、別のサービスアパートをもう1週間だけ提供するので、その間に決めてください」
そういう大事なことはもっと早く言ってくれよという感じだが、家賃分は給料を引き上げてくれるそうだし、従うしかない。とは言っても、しがない現地採用の身分である。
スクンビット界隈の高級サービスアパートに住めるわけもなく、会社のオフィスがあるラチャダー界隈の安アパートを適当に当たってみるしかない。当時はタイ語をまったく話せなかったので、交渉役として白羽の矢を立てたのがミントだった。
「私が安くて良いアパートを一緒に探してあげるから、心配しないで!」
ミントからは頼もしい答えが返ってきた。
日曜日になると、彼女とデート感覚でラチャダー界隈のアパートをめぐり、ゴーゴー嬢も多く住むラチャダー・ソイ14で良さそうな物件を発見。ミントが管理人と交渉した結果、家賃は月5500バーツ(現在のレートで約1万9000円)で妥結した。
家賃に加え、電気代や水道代、インターネット料金なども毎月、アパートの事務所に直接支払うシステムという。日本のような煩雑な手続きはなく、タイ語さえできれば、バンコクの安アパートを借りるのは簡単だということを実感した。
翌朝、ミントに手伝ってもらって引っ越しを済ませ、私は昼過ぎから出勤。
荷物がまだ少なかったので、引っ越し作業はすぐに終わったが、言い換えると、生活に必要な日用品などが大幅に不足していた。ミントは「七助が仕事している間、必要なものを買っておくから大丈夫」と言ってくれた。
午後8時ごろ、仕事を切り上げて新居に直帰すると、ミントが部屋の真ん中に置かれたダブルベッドで、テレビを見ながらくつろいでいた。仕事に行かないで私の帰りを待っていてくれたことも驚きだったが、さらに驚かされたのは部屋の仕上がりっぷりだった。
食料や飲料、食器、石けんやシャンプー、洗剤といった日用品がそろっているほか、今朝はなかった新しい冷蔵庫まで据え付けられている。日中にラチャダーのハイパーマート「カルフール」(現在の「ビッグCエキストラ」)に行き、全て買いそろえてくれたという。
代金1万5000バーツ弱を立て替えてくれていたので、少し上乗せしてすぐに返した。私はプロアマ問わず複数の女に助けられてタイ生活を乗り切ってきたが、この時ほどタイ人女性に感謝したことはない。
太った娘とプリティーの妹
新居に引っ越して以降、ミントとの半同棲生活が始まった。
彼女は東北部(イサーン)ウボンラチャタニー県の出身だったが、学生のころに父親が亡くなり、母や妹らとバンコクに移り住んだという。2007年当時は、ラチャダーよりさらに北郊のチョクチャイ4(シー)という下町地区のタウンハウスに一家で住んでいた。
夕方になるとチョクチャイ4からナナプラザの「レインボー1」に出勤し、ショートで1~2人客を取った後、深夜に私のアパートに頻繁に来て一緒に寝た。
新羽七助撮影=バンコク中心部
週末も出勤するまでの間、一緒に過ごした。彼女の家に行くこともたまにあった。
ただ、常連客が来た時はロングになったり、数日間会えなくなったりもしたが、付き合い始めたころはそんなに気にならなかった。
ミントは容姿端麗の上に優しく、面倒見も良く、英語も話せて、タイ人彼女としてはほぼ完ぺきだったが、唯一の欠点は子どもがいることだった。
ドーナツちゃんという6歳くらいの女の子で、ドーナツが大好物のせいか丸々と太っていた。ミントは、ドーナツの父親と既に別れていて、入籍もしていなかったとみられる。
ドーナツちゃんは太っている上に不愛想で笑わない子だった。ミントはかわいがっていたが、私にとってはちっともかわいくない。
そもそも子ども嫌いで、自分の子供が万が一できたとしても、ちゃんと愛せる自信がなかった。他人の子などなおさらである。ミントのことは好きだが、もしもドーナツちゃんに対する金銭的な支援を頼まれた場合は、嫌われてもかまわないので、きっぱりと断る覚悟を決めた。
一方、ミントの妹は20代前半で、ミントよりもさらにかわいく、モーターショーなどのコンパニオン(タイでは「プリティー」と呼ばれる)として活動していた。
あんなにかわいい妹の彼氏はいったいどんな男なのかと興味を持ったが、なんとレズビアンだった。トムボーイ(男装した女性)と付き合っていると聞かされ、がっかりした。
その妹が3月末から始まる「バンコク国際モーターショー」でプリティーとして働くというので、ミントと会場に遊びに行ってみると、トヨタやホンダといった完成車メーカーではなく、部品メーカーのブースで商品をアピールしていた。
新羽七助撮影=バンコク北郊ノンタブリ県
妹の容姿は完成車メーカーのプリティーにも引けを取らなかったが、背中に大きめのタトゥーを彫っていることがネックになっているようだった。
タトゥーをめぐっては、まったくないゴーゴー嬢を探すのはむしろ難しいくらいだが、タイでも一般社会では、あると不利になってしまうという現実を見せつけられた。
こうしてミントの家族にも“彼氏”として徐々に認められ始め、彼女との関係はさらに深まっていく。(続く)
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