第22回 ナナプラザの美容室に入り浸る週末【新羽七助のゴーゴーバージャーナリストへの軌跡】

バンコク・ナナプラザのゴーゴーバー「レインボー3」に在籍する彼女、レックとの同棲生活を始めて以降、週末は、彼女がナナプラザの美容室「ナナビューティーサロン」に行くのに付き添っていた。
ただ、美容室に付き添っても、メリットよりデメリットの方が多かった。レックと毎週のように訪問していると、ほかのナナプラザ嬢らの間で「あの日本人客はレックちゃんの彼氏」と記憶、認識されてしまうのである。レックと付き合って以降、ナナプラザ内、ひいてはレインボーグループ内での浮気はほぼ不可能な情勢になっていた。
一方、「こんなところに出入りしている日本人客は自分しかいない」という的外れな優越感に浸れたのは、数少ないメリットと言えるかもしれない。実際、同美容室に定期的に出入りしている外国人客はいなかったし、タイ人娼婦らの中に日本人男性がポツンといる光景は、われながら異様だったように思う。
美容室に通っているうちに、ゲイの美容師とも仲良くなり、暇つぶしも兼ねて自分の髪を切ってもらったこともあるが、恐ろしく下手だったので、一回で止めた。総論になってしまうが、タイ人の性格は大雑把なため、繊細な感覚を要する美容師には向いていないように感じる。これまでの人生で、日本人や英国人、タイ人ら多数の美容師に髪を切ってもらったが、日本人の技術がダントツで高いことは言うまでもない。
話を戻そう。レックはブローを終えて美容室を出ると、ナナプラザのエレベーターを使って2階に上がり、レインボー3に出勤。タイムカードを打刻し、ゴーゴーダンサーとしての勤務を開始する。私はその間、レインボーの他店で飲んだり、気が向くとソイ・カウボーイやパッポン、タニヤまで足をのばし、レックの仕事が終わるまで時間をつぶしていた。
彼女の仕事が終わると、特に土曜日の夜は適当な場所で落ち合い、ディスコやレストランなどに一緒に行くのが基本的な流れになっていた。
人気ディスコは「ハリウッド」
ある土曜日の夜、レックとナナビューティーサロンで別れ、ナナプラザのレインボー3を除く各店で鯨飲(げいいん)していると、彼女から電話がかかってきた。ペイバー(連れ出し)しない限りにおいては、ほかのゴーゴーバーで飲むことは黙認されていた。
「モシモシ、仕事終わったところだけど、七助はどこ?」
レックは「もしもし」という単語を知っていて、私に電話する際は積極的に使っていた。
「ナナプラザで飲んでるよ。ご飯でも食べに行く?」
「今夜はディスコに行きたい。レインボー3の友だちを1人誘うから、3人で一緒に行こう」
「うん、分かった」
ナナプラザの入口で待ち合わせた。レックが誘った同僚は私の顔見知りだった。レックと同様、体型は小柄で、歳は20代前半。容姿は中の上といったところで、レックほどではないにしろ、ゴーゴー嬢として十分に活躍できるレベルだ。
スクンビット・ソイ4入口のセブンイレブンの前まで歩き、タクシーを拾った。レックが指定したのは、ラチャダー・ソイ8のディスコ「ハリウッド」。当時は、ハリウッドとその近くの「ダンスフィーバー」が、売春婦が好む二大ディスコとして有名だった。
10年前、ゴーゴー嬢が好むディスコといえばラチャダーの「ハリウッド」だった=新羽七助撮影
トンローやエカマイ、それにロイヤルシティーアベニュー(RCA)のディスコも人気だったが、基本的に素人向けで、売春婦は敬遠する傾向が今よりも顕著だった。
ちなみに、ラチャダーのハリウッドはバンコクの発展と逆行するように衰退していったが、「ハリウッドパタヤ」は健在で、ゴーゴー嬢らと遊びに行ったことがある読者も多いはずだ。
上機嫌のレックが泥酔……
当夜のレックはご機嫌だった。ハリウッドに到着すると、入口で率先してウイスキーボトルを購入。「ジョニーウォーカー」の黒ラベルだった。レックは常連のため、スタッフが良い席に案内してくれたり、ドリンクをつくってくれたり、ハイテンションで場を盛り上げてくれたりと、いろいろと世話をやいてくれる。
レックは序盤こそ、ウイスキーにコーラやソーダを混ぜたりして、普通に飲んでいたが、ただでさえ上機嫌な上、スタッフにチヤホヤされたこともあり、歯止めがきかなくなってしまったのだろう。ジョニ黒ボトルをラッパ飲みしたりして、レインボー3の同僚と大騒ぎし始めた。スタッフにはチップをばらまき、散財している……。
その後は泥酔し、笑ったかと思えば怒ったり、泣いたり、さらには寝たりと収拾がつかない状態になった。細かいことはあえて記さないが、酒だけでこんなにはならないだろうと判断。なんだかんだで真面目な性格の私は、呆れるほかなかった。
ハリウッドでの宴は半強制的にお開きになり、私はレックを連れてタクシーに乗り込み、同棲中のアパートに帰った。翌朝、ベッドの上で気持ち悪そうにしているレックに対し、語りかけた。
「昨夜のような飲み方はもう止めてほしい。俺がいたから良かったものの、ディスコであんな遊び方を続けていたら、いつか大変なトラブルに巻き込まれるかもしれない」
「七助、分かってる……ごめんなさい」
レックは超不良だったが、素直な一面もあった。なぜかよく分からないが、私はそんな彼女をさらに好きになっていった。(つづく)
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- 2018/05/12
- タイ風俗