第31回 虹3同棲彼女が家出、茫然自失【新羽七助のゴーゴーバージャーナリストへの軌跡】
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わが移住生活はナナプラザを中心に回っていた=新羽七助撮影

バンコク・ナナプラザのゴーゴーバー「レインボー4」で働くシンをペイバーし、RCA(ロイヤル・シティー・アベニュー)の人気ディスコ「スリム」で少し飲んだ後、ラチャダーのアパート「シワラーマンション2」に連れ帰った。シンはセ●クスを含めて約2時間滞在。翌日の昼間、「レインボー3」に在籍する同棲相手の彼女、レックがようやく帰宅したが、女の気配に気づいている様子はなかった。

一方、レックは、同棲するアパートに帰って来る頻度が急減していた。同3に在籍する実の姉のアパートがラチャダーにあり、そこで寝泊まりするようになった。われわれのアパートとは徒歩圏内にあり、私が出勤した後、必要な衣服などを取りに来ていた。

週末の昼間などに顔を合わせた際、話し合いを試みてはみるものの、状況を改善するには至らなかった。「自分がレックの生活の面倒を見るから、ゴーゴーバーを辞めて家にいてほしい」と言えば、彼女はそうしたかもしれない。だが、収入が足りないという物理的な問題もさることながら、自分にはそこまでする意思がなかった。そんな自分勝手な私をいつまでも好きでいてくれる女性がいるはずもなく、レックも例外ではなかった。彼女の心が私からどんどんと離れていったことは想像に難くない。

そんな状況下でも、未練がましい私は彼女に頻繁に電話し、機嫌を窺っていた。平日の深夜、問題は突如発生した。

「もしもし、レックちゃん元気? 今夜も家には帰って来られないの?」

「うん、今夜も忙しい。そんなことより、七助とレインボー4のコがシワラーマンション2の前を一緒に歩いているのを見たって友だちが言ってた……」

かねて嫌な予感がしていたが、的中してしまった。気が動転した私は、うまい言い訳を思いつくことができず、嘘と真実を織り交ぜて釈明した。

「確かに一緒にいたけど、セ●クスはしてないんだ。本当だから、信じてくれよ」

「うん、もういいの。今忙しいからまたね」

電話を一方的に切られてしまった。すぐにかけ直したが、もちろん出てくれない。大げんかには発展しなかったものの、逆に彼女が激怒せず、興味を失っていることが、ひどく寂しかった。

以降、レックが帰宅する頻度はさらに減り、たまに顔を合わせても口げんかになるばかりで、改善の糸口は見つけられなかった。人前でトラブルを起こすのも嫌だったので、レインボー3にもあえて行かないようにしていた。

タイ正月で18か月ぶりに一時帰国

そんな中、2008年4月のソンクラーン(タイ正月)休暇を利用し、約1年半ぶりに日本に一時帰国することになった。レックがこの機会を利用して本格的にお姉さんの部屋に引っ越してしまうことを危惧したが、既に航空券を購入していたため、帰らざるを得なかった。日本では、久しぶりに家族や友人と会い、おいしい日本料理を食べ、横浜曙町のファッションヘルスにも行ったが、レックのことが頭から離れず、心の底から日本滞在を楽しむことができなかった。

約1週間の滞在を終え、タイに帰国。シワラーマンション2の自室のドアを恐る恐る開けると、レックの荷物はまだ残っていた。私とやり直す意思がまだあるのかもしれないと期待したが、電話で話してみると、そういうわけでもなさそうだった。というか、レックが何を考えているのか、もはや分からなくなっていた。その後、近くに住むレックのお姉さんを呼び出して相談。レックよりも大人で、分別のある姉は、私の「もう一度やり直したい」という思いを理解してくれたが、状況が改善することはなかった。

もうどうしようもないなと思っていた矢先、事件は起こった。午前11時ごろ、会社の事務所で原稿を書いていると、電話が鳴った。レックからの久しぶりの着信だった。

「今、『あなたの部屋』にいるんだけど、これから私の荷物を全部持って行くから」

「は!? とりあえず会って話そう。お願いだから、少し待ってて!」

「むり。待てない」

電話は切れた。会社からシワラーマンション2までは徒歩数分の距離にあり、電話をかけ直すよりも、戻った方が早いと判断。私はYシャツにスラックス、革靴という出で立ちだったが、気温30度を超す炎天下、アパートまで全速力で走った。

「レックちゃん、頼むから行かないでくれ……」

アパートにすぐ到着し、エレベーターに飛び乗ると、汗が噴き出してきた。灰色のYシャツなので、濡れているのが余計に目立つ。部屋のドアを開けると、レックの姿はなく、彼女の荷物は全て運び出された後だった。慌てて電話したものの、彼女はもちろん出てくれない。誰もいない部屋で茫然自失となったが、勤務中なので、このままふて寝するわけにもいかない。冷蔵庫から「ビアリオ」を取り出して一気に飲み干すと、気分が少し落ち着いてきた。

とりあえず事務所に戻ると、日本人上司が驚いた表情を浮かべている。無理もない。顔は泣きそうで、汗びっしょり。Yシャツもぐっしょりと濡れているのである。明らかに異常ではあるが、上司はあえて何も聞いてこなかった。私は席に座り直し、仕事を再開。夕方まで力を振り絞ってなんとか作業を続けたが、その日はどんな記事を書いたのか、まったく覚えていない。(つづく)

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新羽七助 (しんは・ななすけ)
新羽七助 (しんは・ななすけ)
バンコク居住歴約11年の編集記者。唯一無二のゴーゴーバージャーナリストとして長年活動。
ナナプラザのレインボーグループを中心に、ゴーゴー突入回数は2000回超。パタヤも訪問。東南アジア諸国連合(ASEAN)10か国制覇。アフリカにも進出。
野球はベイスターズファン。

ブログ「新虹日報」      http://shinhananasuke.blog.fc2.com/

Twitter     https://twitter.com/gbanalyst

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バンコク居住歴約11年の編集記者。唯一無二のゴーゴーバージャーナリストとして長年活動。
ナナプラザのレインボーグループを中心に、ゴーゴー突入回数は2000回超。パタヤも訪問。東南アジア諸国連合(ASEAN)10か国制覇。アフリカにも進出。
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