【タイの屋台飯と現実と俺が思うことと】 第4回 国民食クイッティアオの全て(1)

タイ料理にも麺類がいくつかあるが、特に「クイッティアオ」は国民食として人気がある。
タイ人も好きだし、日本人にも馴染みやすい。米粉からできているので食べやすいし、麺の太さやスープの違いでバリエーションは無限大だ。
増加中の日本国内のタイ料理店でも、クイッティアオを扱うところは少なくない。しかし、俺としてはクイッティアオはぜひともタイで味わってほしい。食感がまったく違うため、日本ではほぼ再現不可能だからだ。
最もオーソドックスな形態のクイッティアオ。魚のすり身団子ばかりでヘルシー
クイッティアオは奥が深く、1回の記事ではとうてい収まりきらない。そこで、1回目はベースとなる「麺」について紹介し、クイッティアオをもっと知ることができる「クイッティアオの歴史」、そして麺の次に大切な「スープと具材」、それから忘れてはいけない「炒めるクイッティアオ」と、計4回で紹介していく。
タイで食べるべき理由とは?
クイッティアオはタイ米の粉からつくる。近年はグルテンフリーの食材として、パン食の多い欧米からも注目されるようになった。それほど人気がある料理だ。
クイッティアオは日本語では米粉麺、あるいはビーフンとも呼ばれ、日本にも昔から存在する食材である。しかし、数あるタイ料理の中で、タイでしか本当の味を楽しめないものだと俺は思う。
というのは、日本のクイッティアオは基本的に、タイからの輸入になるからだ。距離の関係で乾燥麺が常識で、調理時に一度水に浸して戻し、それを茹でる。タイ国内では、細麺は完全乾燥ではなく、半分生のような状態、太麺は生で食べられる。
配達の距離が近いからできることであって、特に太麺の食感が日本では再現できない。細麺もうどんのようなコシがあって、日本のタイ料理店で食べると、まるでベトナムの米粉麺「フォー」と同じようにコシがない。
ただ、最近はクイッティアオ工場の生産工程の関係で、タイ国内でも乾燥麺が増えている。大きなレストランやホテルは、ストック事情もあってほぼ乾燥麺だ。一方、屋台のクイッティアオは生であることが多い反面、化学薬品などが使用されていることもある。
昔ながらのクイッティアオ専門店。こういう食堂だと創業数十年という店が多い
オーガニック麺も増えているので、できればそれを使っている店を選びたいが、屋台は市場で仕入れをしているため、その時点で屋台店主すら含有成分が何かを把握しておらず、なかなか難しい。
屋台の太麺は、生麺が多い反面、含有成分に注意したい
ホテルなどならオーガニックや化学成分を使用していないクイッティアオが多い。
また、製麺技術が上がっているので、乾燥麺もある程度は生の食感を再現できるらしい。まあ、そう言ってしまえば、日本のタイ料理店のクイッティアオも、今は以前よりはずっとおいしいのだろうけれど……。
俺は、タイで200円もしない料理に1000円前後も出すのは嫌なので、最近は東京のタイ料理店にはほとんど行っていない。だから、もしかしたら日本のタイ料理店のクイッティアオは改善されている可能性もある。
麺の異なる太さが深みを生む
クイッティアオには種類がある。基本的には太さで種類が違う。この太さは重要で、まず食感がまったく違うこと、そして同じスープや味付けでも太さによってスープとの相性やスープ自体を持ち上げる量が変わる。
クイッティアオ料理の重要ポイントはまさに麺であり、同じ材料で「味」は同じなのに「味わい」が違う。太さによって楽しみ方が無限大に広がる要素になっているのだ。
太麺を茹でようとしているところ。クイッティアオは素早く出てくるのも利点
取材で訪ねたのに、欠けた器で出てくるのもタイらしくていい
そんなクイッティアオの種類はざっと下記のようになる。日本のうどんなどのようにタイ全土共通の規格はないので、工場や店によって太さにはばらつきがある。大体の目安として覚えておいてほしい。
●センレック
2~5ミリ程度の細麺。屋台では半乾きの麺が使用されることが多い。
●センヤイ
10ミリ以上の太麺。炒め麺にするとチュルチュルとした食感が際立つ。
●センミー
極細麺の乾燥タイプのみ。製造方法がセンレックなどと異なり、乾燥工程が多い。日本のビーフンがこれに当たり、タイでは「ミーカーウ」とも呼ばれる。これは中華麺の「バミー」も「ミー」と呼ばれることがあり、それと区別するため。
●センジャン
中部チャンタブリー県発祥のセンレック。太さは5ミリ前後。コシがあり、主にパッタイ(タイ風焼きそば)に使われる。
●そのほかの米粉麺
製造過程で最初にできる米粉の薄いシートを小さく切って、くるりと丸めた「クワイジャップ」や、すいとんのように丸く太い団子状になった「ギヤムイー」もある。
オリジナル麺も受注する「SAHA PANKAO Co.,Ltd.」の乾燥麺。右がセンミー
くるりと丸まったクワイジャップ
クイッティアオは収穫から2~3年経った古米を使う。粉状にして塩やタピオカのデンプンと水を混ぜ、ろ過してシート状にする。
米粉と水、塩、デンプンを混ぜてろ過する。コシや食感は米の粉砕技術とデンプンの量に左右されるのだとか
このシートをいったん蒸すことで生麺の原型ができ上がり、センヤイはこの状態で出荷することもある。
最初のスチームでできあがったシート状のクイッティアオ
市場でセンヤイを買う時は太さを指定して切ってもらい、グラム単位で購入する。
市場ではこの状態で置いてある
注文するとシートを切ってくれる。市場では一般人にもちゃんと売ってくれる
乾燥麺はシートをさらにオーブンにかけて半生状態にして適度な太さにカットし、もう一度オーブンにかけた後に梱包する。センミーは最初のろ過の後に圧力をかけて塊をつくり、それを押し出し機で細く出した後にオーブンにかける。
2回のスチームで半分乾燥状態のシートをセンレックにしているところ
ちなみに、米粉麺ではほかに、日本のそうめんに似た「カノムジーン」がある。しかし、これはクイッティアオではない。クイッティアオは中国が発祥の料理だが、カノムジーンは少数民族「モン族」の料理だからだ。モン族の言葉で「カノーム」は麺、「ジーン」は熟すという意味で、つまり、熟れた麺=発酵した麺ということになる。そのため、タイでは幼児には食べさせない料理だし、タイ人もクイッティアオとは明確に分けている。
次回はクイッティアオの歴史について紹介したい。タイ人は歴史を振り返らないので、文献がほとんど残っていなかった。タイ政府の図書館にも行ったし、大学の図書館にも資料を探しに行ったが、あるのはレシピ本ばかり。その中から歴史を抽出してみたので、ぜひ楽しみにしていただければと思う。
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