【タイの屋台飯と現実と俺が思うことと】 第9回 タイ料理に合うのは間違いなくタイビール(1)

タイ料理は辛いことと香草を使うことから、万人に受け入れられる料理とは言い難い。今日本で食べられるエスニック料理の中では、タイ料理は群を抜いて浸透しているだろうが、苦手という人が少なくないのも事実だ。
その観点から言えば、本連載も全ての人に喜んでいただけるものではないと言えよう。ならば、必ずしもこれと思わせる料理を語る必要はないのではないか。ということで、今回は誰もが好きというわけではない、タイのビールを紹介したい。
今現在、タイ国内で人気のビールは「ビアリオ」である。しかし、俺が初めてタイに来たころはまだ、ビアリオはほとんど流通してなく、主流は「ビアシン」(シンハービール)か「ビアチャーン」だった。タイ産ビールの変遷や、タイのビールについて思うことを3回に分けて紹介する。
持論に反し海外クラフトビールが人気に
俺には持論が一つある。
「ビールと女は地元が一番」
日本では日本人の女の子が一番かわいい。台湾に行けば台湾人女性だし、ベトナムならベトナム、タイならタイの女の子がかわいいのだ。タイ東北部(イサーン)の都市ウドンタニーもやっぱりタイ女性がかわいい。
そこから車で1時間程度北上すれば、隣国ラオスの首都ビエンチャンだ。そこではラオス人の女の子の方がかわいく見える。当たり前の話だが、その国に行けばその国の人が一番多いので、かわいい子に出会える確率が上がるからだろう。
ビールもまた地元が一番だ。
料理と同じ水と土地でつくることと、ビールは鮮度が命なので、醸造所からの輸送距離が近いという事情もあるだろう。まだ機内に液体が入った容器を持ち込めた2002年のころ、日本の缶ビールを丁寧に運んできて、タイ料理とともに楽しんだらぜいたくだと思い実行したことがあった。超まずかった。その時に俺の中で先の持論が誕生した。
ところが、最近はその持論を覆すような事態になっている。自動車メーカーに勤める友人Yくんから数年前に「実はバンコクはクラフトビールがすごいんです」と教えられた。タイは酒類広告に規制がある。ドラマなどではアルコールにはモザイクがかかるほどで、メディアもアルコール飲料をあまり取り上げない。だから知らずのうちにそういうことになっていたようだ。米CNNの「ビール通が選ぶ、アジアのベストバー10選」という記事では、首都バンコクの店が2店舗入っているほどだ。
その火付け役は「ハウス・オブ・ビアーズ」という、ベルギービールを主に仕入れて販売するバー・レストランだ。オーナーにはメールを通じたインタビューのみで、実際にお目にかかったことはないが、どうも子どものころからタイに暮らす白人らしく、ベルギービールのおいしさを伝えようと始めた店という。だからなのか(日本やほかの国でもそうなのか分からないが)、タイの輸入物を中心に販売するスーパーマーケットなどで見かける輸入ビールは大半がベルギー産である。
「ハウス・オブ・ビアーズ」のオーナーが手がけるクラフトビールバー「ブリュー」もまた大人気
ハウス・オブ・ビアーズをはじめとするクラフトビール店はやや高いのが難点だが、ビールは冷えていておいしい
これに続いていろいろなところでビール専門バーがオープンし、ついにはゴーゴーバーもビールが充実するようになった。例えばソイ・カウボーイの「バカラ」がそうだし、なぜかタイではほとんど見かけることのなかった「バドワイザー」もここのところゴーゴーに置かれるようになっている。
タイのビール市場は確かに変化しているのだ。
輸入物では近年、「ヒューガルデン・ホワイト」がよく見かける銘柄
肉にビールは最高。バンコクもタイ式や韓国式、日式とあらゆる焼肉がある
かつては銘柄が少なかったが……
俺の中ではタイのビールというと、ビアシンである。日本人はシンハービールと呼ぶが、これはタイ文字をアルファベットに置き換えた時に読まない「H」が後ろに付いてしまうからだ。タイは日本のローマ字のように定められたルールがないので、発音に従った表記をする場合と、文字に従った表記をする場合が混在する。
自宅マンションのプールだが、こうしてビアシンを置くだけでリゾート感が出る
イサーン料理とビアシンの組み合わせは最高だと思う
では、シンビールではないのかというと、タイ語は修飾する言葉が後ろにくる。「日本のビール」はビアイープンになるので、「シンのビール」ということで、タイ語ではビアシンと呼ぶ。
ちなみに、シンはサンスクリット語でライオンを意味するが、絵柄は仏教神話の狛犬のようなものだ。架空の動物っぽい点から言えば、キリンビールのキリンみたいなものか。
タイ産のキリンもあるにはあるが、やっぱりビアシンには敵わない
俺が初めてタイに来たころは、コンビニで売られているビールと言えばビアシンやビアチャーン、それに「ハイネケン」くらい。たまに「カールスバーグ」や「クロスター」を見かけるくらいだったと記憶している。
カールスバーグは最近また見かけるようになった。一時期はカールスバーグが、ビアチャーンを製造、販売する企業から資本撤退して消えてしまっていた。
俺はカールスバーグを生でしか飲んだことがない。毎年12月ごろに開催される、バンコク中心部の複合商業施設「セントラルワールド」前のビアガーデンは、各社が最も注力して展開する楽しいイベント。カールスバーグがあったころは、チアビア(ビールの販売促進を目的とするキャンペーンガール)が一番かわいく気さくで、人気があった。俺も女の子目当てで通い、その時期だけビアシンから浮気をしたものだ。
ちなみに、セントラルワールドのビアガーデンは年末年始のカウントダウンとともに閉幕するが、06年大晦日の夕方から07年年明けにかけての爆弾事件が近隣で起きるまでは、乾季に入ってから2月末くらいまで営業していた。だから、チアビアを口説くのにもたっぷりと時間があった。
当時から、今も割とそうだが、タイ人はビールを飲む場合はハイネケンを好んだ。おしゃれなイメージと、苦めのビアシンに比べて、飲みやすさがあったのだろう。ビアシンは外国人に人気だった。
2000年前後はゴーゴーバーもビアシンとハイネケンくらいしかビールはなく、パッポンでは確か、ビアシンは80バーツ(約280円)、ハイネケンは90バーツとか100バーツだった。ナナプラザとソイ・カウボーイは少し安くて、ビアシンは75バーツだったような気がする。今の半額以下で飲むことができたわけだ。
ビアチャーンは登場が1995年で、当時の味はひどいものだった。日本でそのころに市場拡大し始めていた発泡酒のようで、ビールの味はなく、アルコールの味が強くて飲めたものではなかった。翌日は頭が痛くなるし、安かろう悪かろうの代名詞のようなビールだった。それがどういうわけか大幅に改善されて、今はビアチャーンも普通に飲めるようになっている。
タイ人はそもそもあまりビールを飲まなかった。酒税が高いので、それならばアルコール度数の高いウィスキーをボトルで買って、みんなで飲んだ方が得だと考えるのは当然の論理だ。食事の時に飲む人も以前はほとんどいなかった。タイ人は、食事は食事、飲みは飲みと分けるのが一般的だった。
東南アジアでは、ベトナムのビール消費量が多い。レストランでさえ大瓶100円程度と安いのも理由
東南アジアの中でも、タイのビール消費量は今でも多くはないが、それでもだいぶ飲むようになった。コンビニの棚でも、ビールの種類が増えている。最近ではラオスのビール「ビアラオ」まであるのだから、タイも変わったものである。
ラオスのチアビア。ラオスに行けば、やっぱりラオス人女性が美しい!
南部サムイ島のバー街。東部パタヤなど地方のバーはまだ安い。かつてはバンコクも安かった
次回以降は生ビールや凍ったビール「ビアウン」などを紹介していく。
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