【タイの屋台飯と現実と俺が思うことと】第18回 タイの匂いがする豚足煮込み飯、カオカームー
近年はあまり指摘されなくなったが、昔は欧米人が日本に到着すると空港が醤油臭いと感じたとか。仮にしたとしても、臭いことはないでしょうに……。
それで言えば、俺が初めてタイで感じた臭いは「八角」だった。中華料理などで使われる代表的な香辛料だが、1998年1月、ドンムアン空港に降り立った機内から出てみて感じられたのは、飛行機の排気ガスの臭いでも、乗っていたエジプト航空の大柄なキャビンアテンダントの体臭でもなく、とにかく八角の臭いが鼻についた。
首都バンコクのバックパッカー街カオサンに着いても、また翌日にラマ4世通りに辿り着いた時にもなんとなく八角臭がし、中華街ヤワラーで決定的になった。正直最初は吐き気がした。しかし、臭いの元が「カオカームー」であることが分かり、見た目のおいしさにその気持ちは吹き飛んだのだった。
カオカームー屋台のスタンダードな盛りつけ例
腸や卵、汁多めなどこだわりを見せるべし
カオカームーは豚足ご飯、あるいは豚足の煮込みかけご飯とでも訳すべきか。カオはすなわちご飯のことで、カーは脚、ムーは豚である。豚肉の脚を「五香紛」などのスパイスで煮込んでいる。黒いスープは八角をはじめとする各種の香りでかなりクセがある。
煮込んだ量が多いので、スープからいったん取り出されたカームー
しかし、脂肪分たっぷりの豚足を柔らかく煮込んでいて、脂肪はもはやコラーゲンと呼んであげたいほどの美味であり、肉もほろほろに柔らかくなっている。スパイスや煮込み時間は店によって違い、同じご飯ものの「カオマンガイ」(蒸し鶏のせご飯)と同じように、タイ各地に名店がそろう。
カオカームーはタイ人にも一般的な料理で、こういった屋台群には必ず1軒はある
食べ方はシンプルだ。まずは注文方法から紹介したい。
カオカームーはご飯の上にほど良い量の豚足がのせられる。注文すると大きな鍋から肉を取り出し、丸い木のまな板の上で中華包丁を使って細かく切ってくれる。この時、脂肪分(皮の部分)は要らない人なら断ることもできるし、肉だけ多めにすることも可能。また、多くの店では腸と卵も茹でている。「サイ・サイ(腸を入れる)」「サイ・カイ(卵を入れる)」と言えば、追加で加えてくれる。なお、腸は無料、卵は有料のケースが多い。
さらに、スープをご飯に適量かけてくれるのが基本だが、要らない、あるいは多めなどの注文もできる。カオマンガイと違い、カオカームーはカスタム性が高い一皿料理になる。
カオカームーは注文したらぼーっと待っていてはいけない。肉を盛り付けてくれている間に、カウンターあるいはテーブルにある小皿を最低2枚は取っておこう。1枚には酢を適量入れる。この酢はタレのように使う。甘めのカオカームーの味に酸味がマッチするのだ。もう1枚にはカオカームーと一緒にかじるための生ニンニク、生唐辛子を入れる。
朝一番に、昼の来客に備えて大量の豚足を煮込む
なぜかカオカームーはナタみたいな中華包丁で肉を切る
俺はいつも酢ではなく、「ナンプラー(魚醤)」を入れて食べる。要するにお好みで選べるというわけだ。この自由さがタイ料理の魅力でもあり、カオカームーが親しまれる要因だ。
唐辛子でアクセントをつける
カオカームーの食べ方は、適量の肉とご飯をすくって口に運ぶだけだ。注文すると鍋のスープをたっぷりとご飯にかけてくれるので、そもそも味がついている。
もうひと味という場合、先ほどの酢あるいはナンプラーをかけたり、ニンニクや唐辛子と一緒に食べる。腸はやや臭いにクセがあることがあるので、ニンニクなどは必須だと思う。
俺はいつも、皮付きの肉、卵を少々、ニンニクひとかけら、唐辛子は半分、そこにナンプラーをちょっとだけかけてスプーンに載せ、一気に口に放り込む。生の唐辛子は舌に当てさえしなければ辛くなくて、唐辛子の香りが口に広がる。ちょうど良いアクセントになる。
多くの店ではつけ合わせの野菜に「パッカナー(カイラン菜)」がついてくる。ジャンルとしてはキャベツの一種らしく、ちょっと苦みがある野菜だ。これは豚肉に非常に合うので、タイ料理の中でもほかに「パッカナームーグロープ(豚の三枚肉唐揚げとパッカナーの炒めもの)」などもあるほど。スプーンにパッカナーを一つのせるとさらに美味である。
つけ合わせはパッカナーのほか、高菜のような漬物もつく(写真左の黄色のもの)
カオカームーに名店はあるのか?
冒頭でも紹介したように、カオカームーは中華スパイスが効いているため、苦手な人は厳しいかもしれない。名店はたくさんあるし、基本的に、カオカームーがまずい店はないと言っても良いくらいだ。どの町にもあるし、商業施設のフードコート(クーポン食堂)にもある。専門店もあれば、「バミー(中華麺)」の店などと併設していることもある。
クイッティアオ(米麺)店と併設している場合、軟骨を分けていることもある
「パロー」と呼ばれるクイッティアオのスープも八角の臭いがする
お勧めは絞り切れないが、分かりやすいところではシンガポール系のフードコートである「フード・リパブリック」。ここのカオカームーはかなり上質だと思う。このフードコートは都心だと「サイアムセンター」の上にある。ただ、俺がいつも食べるフード・リパブリックはバンコク郊外の「メガバンナー」の中にあるので、まったく同じかは分からない。メガバンナー店は間違いなくおいしいので、お勧めしたい。
タイ人は中国人やベトナム人ほどではないが、さまざまな食材を食べる。豚も肉や内臓のほか、耳も食べる。余すことなく利用するので、豚足もよく食べる。その代表がカオカームーだが、何度も言うようにカオカームーだとスパイスの臭いがきつい。それはダメだけど、豚足は試したいという人は「カームー・トート・ヨーロマン」を紹介しておきたい。
カームー・トート・ヨーロマンは一人では食べきれない大きさ
これはドイツ式の豚足唐揚げである。ドイツ料理のローストした豚足料理である「シュバイネハクセ」をそのまま持ち込んだものだ。「タワンデーン」などのビアガーデンやドイツ料理っぽいメニューを提供するパブには必ずある料理で、骨付きの豚足がからりと揚げられている。パリッパリの皮の部分と甘くとろけるような皮下脂肪、スモーキーな味わいのある肉にかじりつく快感は最高だ。
このカームー・トート・ヨーロマンは、大手ハイパーマート「ビッグC」の惣菜コーナーにも置かれている。価格も安めで、かつ味はそこそこハイレベルである。部屋でビールを飲む時に、ぜひ試してもらいたい。最近はシンハービールがワイツェンビール(小麦のビール、白ビールなどと呼ばれるビール)を販売している。深みはまだ足りないが、ドイツ的なビールの味がするので、八角でカオカームーが苦手な人はこの唐揚げでドイツを疑似体験してもらいたい。
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