【タイの屋台飯と現実と俺が思うことと】第26回 ハイカロリーだがシンプルで万能な食材「ムー・グロープ」
小学校中高学年のころにRCカーにハマった時期があり、秋葉原のラジコンショップによくパーツを買いに行った。そのときによく立ち寄ったのが、万世橋にある「肉の万世」本店だ。ここに万世直営のラーメン店があり、ここの「排骨拉麺(もしくはパーコー麺という名称だった)」が好きだった。
あのころは子どもだったのでタイのタの字も知らなかったが、今考えてみるとあれはタイで言うところの「ムー・グロープ」だった。グロープとは乾燥しきっているなどの意味があり、つまりカリカリになったものを指す。豚ばら肉をカラッカラに揚げたものがムー・グロープである。
酒のつまみにもなるし、ちょっとした食事にもよく使われるムー・グロープをここで紹介したい。
人気のコームーヤーンに匹敵すると思うのだが
「ムー・グロープ」は万能な料理だと思う。俺がいつも不思議に思うのは、よく日本人はタイ料理の好きなものに「コームーヤーン」を高確率で挙げることだ。コームーヤーンは豚の首辺りの肉を焼いたもので、ちゃんとした店では頬肉の豚トロを使うため、確かに美味である。しかし、コームーヤーンをそれだけ持ち上げるなら、ムー・グロープももっと人気になっていいものだと思うのだが、意外と話題にならない。
ムー・グロープは豚ばら肉を使う。俺は子どものころは豚ばらの「ばら」は薔薇だと思っていた。肉と脂肪が重なり合って薔薇のようだから、なんてメルヘンに想像していた。しかし、単純に「あばら骨」周囲の肉というところが由来のようだ。
タイでは豚ばら肉は「ムー・サームチャン」という。3階、あるいは3層の豚肉という意味だ。豚ばらは日本でも三枚肉とも呼ばれる。特に沖縄では皮つきの豚ばらが三枚肉と言われるそうなので、タイはまさに沖縄と同じである。ムー・グロープも皮つきの肉を使っているからだ。
ムー・グロープの塊が看板代わりになっている屋台。
俺がムー・グロープを好きなのは、そんな脂っこい肉をカラリと揚げてしまい、そのまま、あるいは辛いタレで食べたり、料理に使ったりすることだ。食感がカリカリでおいしいだけでなく、このから揚げは耳で聞いてもおいしい。そして、売っている様子もまた豪快なところが好きである。
ムー・グロープは音も食べる!
ムー・グロープは三枚肉をちまちまと揚げるのではなく、大きな塊をドカッと揚げてしまう豪快さがある。だから、わりと小さな店や屋台ではできないし、作っている場面を拝むことはなかなかできない。
そうしてできあがったムー・グロープは店頭に並べられる。そのときに大きな塊をある程度の大きさに切り分けておく場合もあるし、そのまま吊して売れるのを待つこともある。
商業施設内外で行われる食のイベントでは大概ムー・グロープを扱う店が出店している。
豪快すぎるムー・グロープ店では丸焼きも見られる。
ムー・グロープを注文するときには100グラム単位を基本で購入する。タイでは100グラムを「キート」という単位で呼ぶ。例えば「ムー・グロープを1キートちょうだい」というと、店員がビニール袋に100グラムほど詰めてくれる。最近はグラムで言っても通じるし、120グラムなどの中途半端な重さならそもそもグラムで言った方が早い。
店によって違うがキートあたりは50バーツ前後と、最近のムー・グロープは決して安くない。まあ、脂っこい料理なので、そもそもそれほど量を食べられるものでもないので、ひとりなら1キートでも十分満足できるだろう。店も1キートでは少ないなんてことも言わないので、少量購入をおすすめしたい。
ムー・グロープを一定の細長い大きさに切っている。この状態を「セン」と呼び、セン単位でも購入できる。
ムー・グロープを塊から切ってくれる店ではぜひとも耳を傾けてもらいたい。中華包丁で塊から好みの大きさに、注文したグラム数を切ってくれるのだが、そのときのバリバリバリと切る音が結構気持ちがいいのだ。
この塊を切ってもらうときのザクザク感が耳に気持ちがいい。
噛んだときにも歯応えだけでなく音もいいので、ムー・グロープはコームーヤーンよりも楽しみが多い食材なのだと俺はいつも思っている。
ムー・グロープは大きく切ってもらうと、外はカリカリ、中はしっとりとした食感になる。
どんな料理にも合わせられる魅力がある
ムー・グロープは様々な料理に使われる。そのまま買ってきてビールのつまみにもなるし、いろいろな料理に入れてもぴったりだ。
例えば、冒頭の秋葉原のラーメンのように、麺類にも合うので、特に「バーミー(中華麺)」に入れてもおいしい。俺個人の感想だが、白米には合うのに「クイッティアオ(米粉麺)」にはあまり合わない気がする。
それから、日本人に人気の高いバジル炒めの「ガパオ」を「ガパオ・ムー・グロープ」にしてもいける。かなり濃い味になるので、ガツンと食べたいときに向いている。
バジル炒めにした「ガパオ・ムー・グロープ」。
ほかにもぶっかけ飯と呼ばれる惣菜的に炒めものを並べる「カーオ・ゲーン」屋台の各種でもムー・グロープはよく見かけるものだ。
ぶっかけ飯屋台ではムー・グロープの単品もある。その場合は表面にナンプラーなどで味つけされていることもある。
その中ではチャイニーズブロッコリーあるいはカイランと呼ばれる野菜を使う「パッカナー・ムー・グロープ」もいい。空心菜の炒めもののように定番化しないのが不思議なくらい、ムー・グロープとカイランの食感や味わいが合っている。
「パッカナー・ムー・グロープ」はおすすめの炒めものだ。
忘れがちなところではタイスキの最大手「MKスキ」でもムー・グロープがある。多くの人はアヒルの焼いたものに目が行きがちだが、同じようなサイズでムー・グロープもある。メニュー内にはアヒルの肉とムー・グロープを半々にしたものもあるのでおすすめしておきたい。アヒルの肉に使われるタレがムー・グロープにもあるので、ぜひとも試してほしい一品だ。
「MKスキ」のアヒルとムー・グロープのハーフ&ハーフ。
ムー・グロープに使われる豚ばら肉は、一般的には100グラムあたり約520キロカロリーもあるそうだ。一般的な量のタラコ・スパゲッティーに匹敵する。ムー・グロープの場合は揚げてあるのでさらにカロリーは高いだろう。
ムー・グロープはコントロールしながら食べる必要があるかもしれないが、言ってしまえばタイ料理は全般的に味が濃いので日本人の体質には合うものではそもそもない。深いことを考えず、ぜひムー・グロープをおやつや主食、酒のお供に楽しんでもらいたいところだ。
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