【タイの屋台飯と現実と俺が思うことと】第27回 昔ながらのアイスクリームで身体をクールダウン「アイティーム・ガティ」
俺は酒も飲むし、甘いものはむしろ好物で、日本の喫茶店やファミリーレストランにあるチョコレート・パフェなんかはあれば注文したくてウズウズする。しかし、大の大人が注文するのは恥ずかしいという思いがあって、なかなか頼めない。
タイは人の目を気にする必要がないので、そういう点ではいい国だ。ところが、パフェの類いはほとんど見かけない。タイでは生クリームが一般的になったのはここ数年であると言っても過言ではない。
タイのケーキはいまだにバタークリームのものも少なくないし、タイ人は洋菓子よりも伝統的な菓子を好む傾向にある。実際にタイ式スイーツには優れたものも多い。そんな中では俺は「アイティーム・ガティ」が好きである。
自分でも作れそうな簡単レシピ
タイ人が伝統的な菓子を好むのは、彼らが味覚には保守的であるからだ。むしろ日本人が食に関して寛容過ぎるほどで、他国は比較的自国の食文化を最も好む。だから、それは驚くべきことではない。
そんなタイの伝統菓子は多くがココナッツ由来の食材を使う。ココナッツの実、ココナッツのオイル、ココナッツ・ミルク、ココナッツ・シュガー(パームシュガー)だ。
俺はココナッツは決して嫌いではない。ゴーゴーバーの女の子などもたまにココナッツの香りをさせている子がいる。香水なのかわからない。イメージとしては、夏の日焼け止めを塗ったときの感じだ。ときどきそんな匂いをさせた女の子がゴーゴーにいて、俺はときめくので、ココナッツが嫌いではない。
そんなココナッツを使ったスイーツの中で最も好きなのが「アイティーム・ガティ」である。アイティームはアイスクリームのことで、最近はアイティームなんて呼ぶタイ人もだいぶ減ったかもしれない。アイスクリームが一般的でないころはこう呼んでいたようだ。
カップ入りのアイティーム・ガティ。
ガティはココナッツ・ミルクのことだ。ココナッツ・ミルクに水、あるいは「ナーム・マプラーウ(ココナッツ・ジュース)」を加える。そして、大量の砂糖を混ぜて冷やし、何回か混ぜ、かつ卵白を入れるとできあがる。
手間はかかるが意外に簡単にできるし、タイでは材料も簡単に手に入るので、基本的に安い。このあたりもまたアイティーム・ガティの大きな魅力でもある。
アイスクリームというよりはシャーベット
アイティーム・ガティは昔ながらの製法だと、アイスクリームというよりはシャーベットに近い。クリーミーな舌触りではなく、氷っぽいザラザラした感じとでも言おうか。
例えば高級タイ料理店の「バーンカニタ」にもアイティーム・ガティはあるが、こういった店だとまさにアイスクリームの舌触りだ。熟したマンゴーとココナッツ・ミルクを和えたもち米を食べるスイーツ「カオニャオ・マムアン」とセットになっているなど、アイティーム・ガティなのになんだか高級感のある存在である。
バーンカニタのクリーミーなアイティーム・ガティ。
こういったのもおいしいのだが、やっぱりアイティーム・ガティは庶民派であるとなおいい。最近はだいぶ減ってしまった印象があるが、三輪自転車などで売り歩くおじさん・おばさんから買うアイティーム・ガティは、カップで10バーツとか安いし、道ばたで食べるのでクールダウンにちょうどよかったりする。
タイは最近路上での移動販売が難しくなっているのか、アイティーム・ガティの行商を見かけなくなってきた。
コンビニでもアイティーム・ガティはあるにはあるが、あまりおいしくはない。
昔ながらのアイティーム・ガティは銀色のタンクに入れられている。このタンク自体が昔ながらの仕組みで、中身は二重構造だ。大きなタンクの中には濃い食塩水と氷が入っている。そこにその外側のタンクよりやや小さなタンクにアイティーム・ガティを入れ、中に沈めているという構造だ。
アイティーム・ガティの昔ながらのタンク。中は二重構造になっている。
食塩水によって温度が下がり、それで保冷している状態である。「チャトチャック・ウィークエンドマーケット」などで今も見かけるタイ式アイスキャンディーの装置と同じ原理だ。
昔ながらのアイスキャンディーも製造の仕組みが非常にシンプル。
ポリポリ感があるアイティーム・ガティに再会したい
アイティーム・ガティはカップに入れて食べることもできるし、気の利いた店では小さなコーンもある。また、食パンなどに挟んで食べることもできる。パンに挟むやり方は初めて見たときに衝撃的だったが、案外、ほかのアイスクリームでもおいしかったりする。
ココナッツの殻を器にしているが、量が少ない。これで40バーツは高いかな。
また、アイティーム・ガティはわりとトッピングが自在だ。フルーツやスイート・コーン、コーンフレークやチョコレートなど様々なものが用意されていて、自分の好みに仕立てることができる。小さい店だと練乳やコンデンスミルクをかけるだけしかない場合もあるが、なにもかけなくても十分においしい。
アイティーム・ガティの屋台でトッピングを並べて売っている様子。
俺は「ロートチョン」が入っているものが好きだった。今は開発でなくなってしまったが、20年くらい前は「MBK(マーブンクローンセンター)」やその近くの競技場の裏手にはたくさんの有名食堂や屋台がひしめいていた。そのひとつにアイティーム・ガティの有名店があり、それにはロートチョン(あるいはサーリム)が入っていた。
ロートチョンは東南アジア全般にある菓子類のひとつ。インドネシアやマレーシアではチェンドルと呼ばれ、ベトナムではバインロットという。元々はジャスミン米から作っていたようだが、今はタピオカから作るデンプンでできたゼリーのようなものだ。ロートという名の通り、ストローのような管から出すので細長いゼリーで、店によっては芋虫のような形状をしていることもある。
タイの場合は緑色は「バイトーイ(パンダナス)」、赤い色は豆類などから着色されるので、見た目では化学調味料的なものにまみれていそうだが、そうではない。
ロートチョンはマレーシア経由で入ってきたのか、ロートチョン・シンガポールとも呼ばれる。しかも、仏歴2504年ごろに入ってきたとも言われる。ということは、西暦では1961年。意外と新しいスイーツである。
一方、タイには「サーリム」というものもある。これはアユタヤ王朝時代からタイにある菓子だとされるが、作り方はロートチョンとほぼ同じだ。ただ、一説ではロートチョンは緑だけで、いろいろな色があるのはサーリム。また、サーリムはロートチョンよりもさらに細いというのが定義らしい。
このサーリムあるいはロートチョンがアイティーム・ガティのトッピングではなくアイスに混ぜられていると、これらがカリカリに凍っていて、ポリポリいい歯応えがする。それがアクセントになっていて、またアイティーム・ガティのおいしさが際立つ。
アイスの色から見てサーリムなどがあったようだが、偶然、そのものは入っていなかった。
残念ながらアイティーム・ガティにそれらが混ざっていることが最近は少ない(俺の知り限りの話だが)。また、道ばたで売り歩く人も減っている。もしタイに来て彼らを見かけたら、わりとレアな経験なので、ぜひとも立ち食いでアイティーム・ガティを体験してほしいところだ。
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