【タイの屋台飯と現実と俺が思うことと】第29回 酒飲みが食べてはいけないとされる果物「ドリアン」
世の中には理解しがたい食べものがあるものだ。しかし、この世に無意味な食物はなく、それを必要とする人にはおいしいと感じる。例えば、日本の「くさや」や「なれ寿司」、欧米では発酵臭の強いチーズなどがそれに当たる。
タイでも魚を発酵させた汁「プラーラー」などもあるし、季節によっては「ドリアン」もそのひとつになる。日本では「果物の王様」などとも呼ばれ、日本に輸入されるドリアンのほぼ100%がタイ産なのだとか。
ここではそんなドリアンについて見ていこう。
ドリアンが果物の王様は本当なのか?
「ドリアン」は「果物の王様」と日本では呼ばれる。しかし、日本では臭いと言われ、好んで食べる人なんてあまり見たこともない。例えば、タイの土産物店などではドリアン・チップスやドリアンのゼリー(あるいはグミ)などが売られ、日本人からは『罰ゲーム土産』と言われることもあるほどだ。どこが王様だというのか。
土産物店ではドリアンのチップスなどが売られる。
ちなみに、「果物の女王」はマンゴスチンなのだそうだ。タイでも季節になると市場などで大量に売られるが、確かに甘酸っぱくて、果物らしい味わいがある。この場合、女王の称号は納得がいく。
ドリアンはご存知のように周囲がトゲだらけの分厚い皮に包まれている。市場では革の手袋をして切り分けてくれるほどだ。ドリアンの語源は実はマレー語で「トゲを持つもの」という意味なのだとか。トゲ=ドリという。タイの果物というイメージが強いが、東南アジアの特に暑い地域で広く収穫される果物なのだ。
ドリアンの実はクリーミーな感じなので、臭いさえなければ見た目はおいしそうなのだが。
果実はクリームのようにねっとりとする。市場で買うと切り分けてくれたものを油紙で包む。それくらいクリーミーだ。栄養も豊富で、昔は王族が精力増強の食材として食べていたのだとか。だから「王様の果物」と呼ばれていたようで、それがいつの間にか「果物の王様」になったのだという。
トゲトゲしさではパイナップルもドリアンのようだ。
タイ人のドリアン好きは案外多い
ドリアンは航空機やホテルへの持ち込みが禁じられているケースが多い。
タイ人でもドリアンが苦手な人もいるので、交通機関は禁止だそうだ。
バンコクの地下鉄MRTも入り口に明確にドリアンの持ち込みを禁止する看板がある。
地下鉄の看板。ドリアンは人気のわりには敬遠される果物でもある。
このドリアンの臭いはたくさんの成分が混ぜ合わさっていることが要因ようだが、悪臭と感じる主要成分は硫黄化合物だという研究結果が出ている。硫黄の臭いならどおりで臭いはずである。
タイ人でさえも臭いが室内にこもることを恐れるのだが、それでもドリアンは人気のある果物だ。ドリアンの季節は3月から5月のころ、つまりタイの夏にあたる。
3月から5月はドリアンの季節で、いろいろなところで一斉に売られる。
この時期になると、市場や道ばたにドリアンの専門屋台が出るし、商業施設のレストランなどもドリアンを使った季節限定メニューを登場させる。
ドリアン加工品はチップスやゼリー、アイスクリームなど多岐に渡る。
臭いとは言っても、ドリアンが好きな人にはこの臭いが溜まらないらしい。特に女性に人気があり、屋台やスーパーなどのドリアン売り場にはたくさんの人が集まる。
スーパーだと最初から切り分けられたドリアンが多い。
こういった果物店にドリアンはない。
ただ、やはり通にはドリアンの善し悪しがあって、完熟とそうでないものとがあるようだ。作家の開高健が「小説家のメニュー」の中で『結局のところはお尻のところの匂いが決め手であるらしい。』と書いている。一度開高健が自分で選んだドリアンを買ってきたら、ベトナムで雇っていた女中が怒り、突き返しに行くエピソードも添えられている。ドリアンの選び方は難しいということだ。
また、開高健は同じ著書内で夜釣りに出かける際に船の舳先にドリアンを置くと『ねっとりとした蒸し暑さの中に、あの芳烈な香りが馥郁と立ってきて、ちょうどいい女が裸でへさきに坐っているかのような気分にとらわれたりしたものである。』とも書いている。とてもわかる話ではあるが、実際にドリアンの臭いがする女は嫌だなと俺は思う。
アルコールとドリアンの食べ合わせは死を意味するのは本当なのか
実は俺はドリアンを食べたことは数回しかない。おいしいとは思わないので、食べたくない。決して安いものでもないし、ほかにもおいしい果物はあるし。タイ人のドリアン好き――特に俺の妻と娘なのだが、彼女たちにドリアンを勧められたときの断り文句はいつもこれだ。
「俺は酒飲みだから、ドリアンはだめなんだ」
食べものには食べ合わせがあるのはご存知だと思うが、タイの食べ合わせにおける最もいけないことは、ドリアンとアルコールを同時に摂取することだ。これはタイ人に聞けばみんな知っていることで、ドリアンの成分とアルコールが胃の中で混ざると急激に発酵し、熱を持った上にガスが発生してしまうからだという。胃が破裂したり、その発熱で身体がおかしくなり、最悪の場合には死に至るのだ。
ところが、実はこの話は科学的にはまったく根拠がないのだとか。タイ在住18年の俺が知る限りでも、ドリアンとアルコールによる死亡事件なんて聞いたこともない。仮に発酵してガスが出たとしても、密閉されているわけではないのだから、ゲップなどで排出すればいいだけのこと。そもそも、ドリアンの果実に含有される成分にはアルコールも微量ながら入っているようなので根拠に乏しく、ただの迷信なのだという。
俺が思うに、単にアルコールとドリアンが合わなくてまずいだけなのではないか。二日酔いになるほど飲むと、翌朝はただでさえ口臭とかがきついのに、そこにドリアン臭。だからだめってだけなのでは?
先日会ったあるタイ人女性に聞いた話では「ドリアンはアルコールだけじゃなくて、コーラでもだめなのよ。ガスが出て死ぬわ」と言っていた。炭酸も? タイの迷信はかなりいい加減なものである。
炭酸でもガスが発生するという迷信が出始めているタイ。
ドリアンは実は30種はあるそうだ。その中には臭いのあまりしない品種「モントーン種」も出ていて、日本にも出荷されているという。興味がある人はドリアン入門にはそういった品種から始めてみるといいだろう。俺は酒飲みなので、モントーン種も遠慮しておくけれど。
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