【ほいなめニュース】日本の中にあるタイを訪ねる、八王子で行われたタイ正月ソンクラーン
東京都下、JR八王子駅の北口から西東京バスに乗り込む。満員の車内は、すでにタイだった。タイ語の話し声が飛び交い、あでやかな民族衣装で着飾ったおばちゃんたちが談笑する。
まだ花冷えのする4月半ばだが、気分はもう南国、我らがタイランド。
20分ほどだろうか。八王子と奥多摩・山梨方面を結ぶ国道411号線を西に、畑や小さな集落が続く中を走っていくと、やがて停まった「宮下」の停留所でタイの皆さんはぞろぞろと降りていく。ここだ。
そこからすぐそば、国道を北に折れた場所に、タイ寺院ワット・パー・プッタランシーがあるのだ。
この日はソンクラーン、タイ正月である。
祖国でもやはり寺院に家族や友人同士で連れ立ってお参りをし、年長者や仏像に聖水をかけて祈り、新しい年も無事に過ごせるようにと僧の読経に耳を傾ける一年の節目。
寺院にはすでにたくさんのタイ人が集まり、まさに新年の華やぎに満ち満ちているのだった。その柔らかなタイ語のさんざめきの中にいると、ふっと心が軽くなるのを感じる。
やってきているタイ人は、皆さんたいてい日本人と結婚して、東京や埼玉などで暮らしている人々である。その子供たち、孫たちもいる。そうやって生活の場を日本に移しても、誰もが敬虔な仏教徒なのだ。
タイを愛し、親しんできた読者諸氏ならよくご存知だろうが、タイ人はどんなときでも仏の教えを大事にし、例えば大都市バンコクでだってBTS(高架鉄道)の車窓から寺が見えれば人々は手を合わせるし、男子は一生に一度必ず出家する。僧侶は尊敬の対象だ。
ふだんの暮らしの中でも、ひんぱんに寺を訪れて、祈ることが習慣になっている。タイ人の人生に「お寺」は絶対に必要不可欠なのだ。
だからタイ人がたくさん住んでいる国には、タイの寺院がある。タイから運んできた仏像があり、タイ人の僧侶が「駐在」している。仏教儀式も執り行う。
そんな寺院のひとつが、ここワット・パー・プッタランシーだ。2009年に創建された。
ワット・パー・プッタランシーには、ぎりぎり薄紅色が残る桜があった。タイと日本の国旗も翻る
ほかにも日本では、千葉県・成田、茨城県・印西など各所にあり、在日タイ人の憩いの場となっている。
日本で行われるソンクラーン
とりわけこの日……ソンクラーンは母国と同じように年間を通して最大のイベントだ。ワット・パー・プッタランシーに集まったのは300人ほどだろうか。ちょうど托鉢が行われていた。
列になって進む僧侶に、人々が喜捨をする。タイとまったく変わらない托鉢が行われた
6人のタイ僧侶が寺院の敷地内を練り歩く。手にした籠に、人々が日用品や水や惣菜、カオニャオ(もち米)などを入れ、ワイ(合掌)を捧げる。八王子の片田舎が、一気にタイの空気に包まれる。
そして僧たちが寺院の中に戻って壇上に鎮座し、新年の説法や読経が行われるのだ。みなお堂の中に集まって、僧の教えに耳を傾ける。それから新しい袈裟や、豪華な料理の数々を寄進し、なごやかに仏暦新年がはじまった。
仏像に聖水をかける。ソンクラーンの水かけとは本来こういうものなんである
タイ本国では聖水をかける儀式が拡大解釈されて、タイ各所でド派手なウォーターバトルが展開されるソンクラーン。国際的な人気にもなっている。
しかし八王子はまだ肌寒いこともあるし、近隣の住宅街への影響も鑑みて、スプラッシュはなし。代わりに僧がじきじきに聖水を振りまき、この日集まったタイ人と日本人とを祝福した。
祝福の聖水をふりかける僧侶。これで今年も災厄なく過ごせるだろう
中庭ではタイ料理レストランや、一般のタイ人がボランティアで炊き出しをしていて、それこそ山のようなタイ料理が参列者に提供された。クイッティオ、カノムチン、カオソーイ、ソムタム、ラートナー、ラープ……いくつかいただいたが、それは懐かしくも美味しいタイの味。
みんなのお楽しみタイ料理の数々! すべて有志のボランティアで賄われているのだ
仏事なのでもちろん無料ではあるのだが、タイ人と同じように心ばかりのタンブン(喜捨)をさせていただいた。
いただいたカオソーイは本場の美味しさ、ついおかわりしてしまった
ほかにもタイマッサージのサービスがあったり、射的まで現れて2世、3世の子供たちを楽しませ、シメには地元・八王子の日本人のおばちゃん軍団が盆踊りを披露すれば、境内が沸きに沸く。都下の田舎でも、日泰はちゃあんと交流しているのである。そんな光景を僧たちも楽しげに見守っている。
まとめ
読者諸氏もきっと、タイにハマッている理由はお姉ちゃんがすべて、というわけでもないと思うのだ。タイ人のつくりだす、ゆるやかで和める空気感に、どこか癒され、惹かれているから、足しげくタイを訪れているのではないだろうか。
日本のきつい生活の中で溜まりに溜まったストレスを、タイが洗い流してくれる。タイにいると、少し気持ちが楽になる……そんな思いを持っている日本男児はたくさんいる。
もし日本の暮らしに疲れているなら、そして次の訪タイが未定であるなら、日本にもあるタイ寺院に行ってみてはどうだろうか。
このワット・パー・プッタランシーでもいい。成田には有名なワット・パクナムがある。こちらは現地そのままの壮麗なタイ寺院がニンジン畑の中にそびえており、なかなかの迫力だ。
ワット・パー・プッタランシーには寝釈迦もいらっしゃる
どの寺院も平日は人が少ないが、土日なら誰かタイ人か、タイに関わる日本人がおり、訪問は自由。僧侶たちも手が空いていれば話し相手になってくれるだろう。
仏教を信じていなくても、タイのお寺の中でゆっくりひとときを過ごすと、どこか心安らぎ、気持ちが楽になるのは読者諸氏もご存知の通り。タイ旅行でも感じたあのゆるやかな安息に、日本でも包まれることができるのだ。
八王子では、最近はタイ人のツアー客がやってくることも増えたという。
日本に住むタイ人も多いが、旅行者はさらに多い。彼らは東京見物を終えると、ツアーバスで西に走り、ワット・パー・プッタランシーでひと息ついて仏と対面、それから鎌倉や富士山を回るのだとか。
日本人には知られざる観光地ともなりつつあるようだ。
日本人でもタイを知る人なら、きっと気に入ると思う。とくにタイ人パートナーがいるなら、ぜひ一緒に訪問し、仏像と僧とに手を合わせてみてはどうだろう。より深くタイと付き合えるようになるはずだ。
タイ人、タイと関わりを持つ日本人が集まり、とっても盛り上がった2019ソンクランin八王子
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