<ハマにあった大「ちょんの間」街>

「黄金町」は横浜市中区、南区に跨る、京急黄金町駅から初音町、黄金町、日ノ出町までの一帯を指す。
戦後の混乱期を経て「ちょんの間」街として発展し、その立地の良さから首都圏でも屈指の「青線」地帯として栄えたこの街は大阪の飛田新地、沖縄の真栄原新地とともに三大ちょんの間街としてに数えられるまでになった。
だが、度重なる取り締まりの結果、置屋全店が閉店。「ちょんの間」街として歴史を終えた現在ではアートの街として生まれ変わろうとしている。
＜場所＞
神奈川県横浜市中区黄金町近辺

＜アクセス＞
京急本線黄金町、もしくは日ノ出町駅から徒歩

高架下の「ちょんの間」街

戦後から2000年代前半まで、京急黄金町駅から隣の日ノ出町駅の高架下約500メートル程のエリアに「ちょんの間」街が発展していた。最盛期の店舗数は約250店舗、1,000人近い女性が3交代、24時間で働き、30分10,000円程で2階建ての建物の2階部分を仕事場として非合法な本番行為を提供していた。

働いていた女性は、戦後しばらくは日本人女性を中心。昭和50年代以降は台湾人、タイ人、中国人や東南アジアからの出稼ぎ女性が増え、やがて中南米や東欧出身の女性が多を占めた。

このように、戦後日本とともに発展し、移り変わっていった「黄金町」であったが、やがて終焉を迎える。
2002年に地元住民によって結成された反対運動の動きはやがて行政・警察へと広がりをみせ、2005年の「バイバイ作戦」(売春ー買春ーbyeとかけている)と名づけられた集中摘発へとつながり、全店閉店となった。

アートの街「黄金町」

現在、「黄金町」は地元住民、行政を挙げた街の再生運動により、アートの街として生まれ変わろうとしている。
かつて、置屋として用いられていた家屋はレトロな雰囲気を持ったカフェとしてオープンしたり、若手芸術家が入居して活動拠点やギャラリーとして機能している。
また、2008年以降、黄金町バザールと呼ばれるアートイベントがこの街で行われており、街のイメージアップにつながっている。
(追伸)
黄金町の摘発については、「警察24時」みたいな番組でその様子を目にした方もいらっしゃるかと思います。
戦後日本の混乱、復興、バブル景気、大不況と、時代を映してきた「黄金町」。
交通の便も良いですし、生まれ変わろうとしている「黄金町」を散策して、当時の名残を探してみるのも如何でしょうか。