新たなる広告戦略の時代

俺、実は旅好きだったりする。まぁ、そのほとんどが風俗探訪であり、ぶっちゃけ旅好きってよりも大阪のＭ性感通いが趣味だったりするんだな。
で、旅好きとか言っておきながら頭を悩ますのは交通費だ。だって、新幹線で東京と大阪を往復したらプレイ代金1回分になるじゃん？　だから、俺が頻繁に利用するのは長距離バスなんだけどね。

このバスの話だけど、都内を走る“都営バス”の歴史が変わったのが2000年のこと。営業収入の赤字を補うためにバス全面を使った広告を採用した、いわゆる“ラッピングバス”が走り始めたんだよな。つまり、クライアントを募って経営回復を狙ったワケだ。

この狙いは当たって、あらゆる企業、団体が都営バスを新しい広告戦略として利用し始めた。今、俺の手元に『ラッピングバス2001』という本があるんだけど……って、実は俺、バス好きでもあるのね。走り始めて1年目の時に刊行された本には各ジャンルの一流企業ばかりなんだよな。それだけ新たな広告媒体として注目を集めていたようだ。

しかし、俺としては正直なところ、「風情が無いなぁ～」なんて思いながらバスにラッピング揺られて赤羽を経由して埼玉県某所を目指した。『バスイメクラ』に行くためだ。

運転手はキミだ、車掌はボクだ、オマエは誰だ？

バス……もちろん、風呂じゃない。むしろ、そこにはシャワーブースしかなかった。
つまり、走るほうのバスだ。だからといって、ルイルイな田川陽介氏がいるわけでもないし、蛭子さんが出てくるワケでもない。たぶん、蛭子さんが出てきたら、プレイ時間はメタメタになるだろうね。

それはさておき。そのイメクラはお察しの通り、嬢がバスガイドという設定である。そして、客は乗客、もしくはドライバー、さらにはツアコンという設定で嬢とエッチなことをする……という流れだ。山田邦子だったら「運転手はキミだ、車掌はボクだ、オマエは誰だ？」って歌ってることだろう。45歳以上じゃないと分からんかもしれんけど。

受付に行くと、“車掌”と称したスタッフが「いらっしゃいませ。本日は○○観光のバスをご利用いただきまして、まことにありがとうございます。それでは、前払いで“乗車賃”をいただけますか？」と言ってきた。俺にとっては乗車チンである。ワケがわからないけど。

プレイルームに入る前に一人でシャワーを浴びせさせられた。で、タオルを腰に巻いてプレイルームへ行って驚いたね。5列ほどだけど、観光バスのシートが並んでいて、前方には運転席もあった。俺は前から3列目の席に座った。もちろん、酔わないように窓側席だ。

それにしても……シュールだよな。だって、バスの席に座るのに全裸にタオル1枚ってスタイルだぜ？　これがマジなバスだったら、出発進行っていうよりも出発珍行だよ！
そして、待っているとやって来たのは、バスガイドの制服を着ている女のコだった。「本日は、当観光会社をご利用いただき、まことにありがとうございます。本日、みなさまの旅のお供をさせていただくランと申します」と挨拶してきた。タオル1枚姿で、それを聞く俺。

バスガイドをエロガイド！？

嬢は、なかなか可愛かった。良かったよ、可愛くて。ブスだったら「ブスバスガイドバスガス爆発」って言わなくちゃいけないからな。

プレイをスタートすると、嬢は改めてかしこまり、ガイドを始めた。「皆さまの右手に見えますのが……」って感じでね。で、言いかけて、彼女が制服を脱いだ。そして、自らの乳を揉み、「当方の左乳でございます」と言い出したのだ。……ぶっちゃけ、今だから言うけど、微妙で、さすがの俺でもどのように反応して良いのか分からなくなった。

さらに、反対側の胸を出し、「右乳でございます」とガイドしてきた。ここまでくると、なんとなく連なる山に見えて「筑波山か！」とツッコミの一つや二つも入れてみたくなる。ちなみに、事実としてバスガイドが複数になると『山脈コース』というものもあり、このツアーは女体という神秘の地域を探検するらしい。

そうなると、俺が見たくなるのは秘密の花園ってわけで。「どこかご案内さしあげるところはございますか？」と聞いてきたところで俺は、「沖縄にはマン湖という湖があるので、そこを案内してください！」と懇願してみた。すると、俺の席までやってきて……。

あとは、普通の（と、いっても、バスの席だけど）ヘルスプレイだった。だけど、あの狭い空間でエッチなことをすると密着感がハンパねぇ！　ということで、バスの車窓を見つめながら射精したイメクラであった。

（文：亦滑訓仁）