クラブといってもママはいない!?

俺の原稿では何度か若い男子の風俗離れを嘆いている。風俗ライターとしては深刻な問題だからだ。しかし、それ以前に最近の男子は女子をナンパしないそうだ。草食男子云々ということはさておき、俺が思うに“口説く場所”が少ないんじゃないかと思うんだよな。

たとえば、昔だったらディスコってシチュエーションがあったわけだ、出会いの場所として。だって、俺が十代を過ごした千葉県某市の片田舎にもあったほどだぜ？　まぁ、近所のオッサン、オバサンは「デスコ」って言ってたけど。いや、それほどの田舎にも存在していたほどなんだ。

それが1990年代に入った頃からだろうか。「アタシ、今の彼とはクラブでナンパされてさ～」という会話を聞くようになった。

クラブ？　あの銀座の？　ママがいる高級な？　そう思ってしまうんだ、四捨五入アラフィフ世代には。ようはディスコをクラブと呼ぶようになったのは1990年代前半のことだと思う。1991年5月に港区芝浦に『ジュリアナ東京』がオープンしたことが大きいんだろうな。お立ち台って場所でボディラインがクッキリ出るボディコンを着て踊るっていうね。セクシーだったよ（もちろん、着る人を選ぶけどな！）。

そんなボディコンギャルをナンパするのに必死だったんだ、バブル時代の男は。で、セクシーな分、すぐに風俗にアダプトされていったのは言うまでもない。

平日でもサタデーナイトフィーバー！

たしか1994年の初夏だったと思う。『クラブイメクラ』というものが池袋のマンションにあった。もちろん、キャストはボディコンで首には羽を掛けて、扇子を持っていた。今となってはセンスの欠片も無いけどね。そんなボディコン娘を相手にする……ただそれだけのイメクラだった。

ぶっちゃけ、「くっだらね～！」と思ったけど、俺、その当時、クラブでのナンパ成功率は今シーズンのヤクルト並みだったんだ。つまり、最下位級だよ。そうなると風俗しかないじゃん。お立ち台のボディコンギャルは手が届かないけど、“お勃ち台”ならば、なんとかなると思って行ったわけだ。

受け付けの玄関を開けると、案の定って感じでユーロビートの音楽が流れていた。俺、どっちかっていうとＨＲ／ＨＭな人間だから苦手なんだ、こういう機械系ピコピコ音楽。でも、当時はそれが主流で街の中にクラブミュージックが溢れていたんだ。平日でもサタデーナイトフィーバーって感じだったよ、当時は。

で、案の定といえば、案内された部屋で待っていたのがソバージュ頭のボディコンギャルだ。もちろん、部屋にはミラーボールが回っていて、ブラックライトが設置されていた。部屋にはデッド・オア・アライヴが流れていた。俺はデッド・エンドの方が好きだったんだけどね。ダンスだったら『ＤＡＮＳＥ　ＭＡＣＡＢＲＥ』が好きです。

〇〇アナ東京でバブル崩壊……

『クラブイメクラ』のプレイ自体は、ボディコン姿のお姉ちゃんとイチャイチャしながらキスして全身リップ……という流れで、普通のヘルスプレイそのものだった。当然、盛り上がってくると嬢は脱ぐわけだ。俺もそれを望んだのだけど……ちょっと待て！　彼女がボディコンを脱いだら『クラブイメクラ』の存在意義はどうなる？　そりゃ、部屋にミラーボールが回っていたけど、そんな下で裸になったら安っぽいストリップみたいじゃん！

俺、結局、彼女に「脱がないで！」って懇願した。思えば、当時は風俗に通い始めたばかりの頃で、女性の裸がお目当てだったのに、脱ぐことを拒んだのは初めてだ。

そのままボディコン姿のお姉ちゃんにフェラをされて、俺の股間のお勃ち台が準備ＯＫになった頃のこと。部屋の中に「トキオーーーーーーっっっ！」という雄叫びが響いた。ジョン・ロビンソンの名曲『TOKYO,GO！』だ。すると、俺のお相手の嬢が四つん這いになり、スカートの裾を上げて尻を突き出し、「どうぞ！」と言った。

実はこの店、クラブイメクラでありながらＡＦ専門店でもあったんだ。だって、店名が『シリアナ』だもの（呆れ笑）。ちなみに、俺、この時が初めてのＡＦだったんだ。ジョンの「Ｇｏっ！　Ｇｏっ！　Ｇｏっ！」に合わせて「イクッ！　イクッ！　イクッ！」ってなったのは言うまでもない。そして俺の股間のバブルは彼女の穴の中で弾けた……。

（文：亦滑訓仁）