【JOJOの世界アングラ紀行】 第4回 タンザニアの幻の酒ラウンジ
ウランジで酔っ払ったタンザニア人の若者

アフリカを旅している時、「タンザニアには幻の酒がある」という噂を聞いた。竹から出てくる樹液を自然発酵させたお酒で、特定の季節に産地に行かないと飲めないという。名前は「ウランジ」というらしい。

僕は酒そのものが好きなわけではない。ただ、酒を一緒に飲みながら人と仲良くなる時間は好きだ。タンザニアという日本から遠く離れた国で、幻と言われる地酒を囲んで地元住民と飲んでみたい。酒の話を聞いた時にそう思った。

タンザニアといえば、リゾート島のザンジバルとアフリカ最高峰の山キリマンジャロが有名だが、僕はそんな観光地よりも幻の酒の方に興味があった。その酒が売られているという噂の「イリンガ」という町に着くと、ウランジを探して徘徊した。

 町外れの怪しい小屋に潜入

イリンガは田舎町だ。中心地は多少賑わっているが、少し離れるとすぐに何もなくなる。

イリンガの町の風景

イリンガの町の風景

イリンガに来る前に滞在していたタンザニアの最大都市ダルエスサラームは危険な街として知られている。実際にダルエスサラームの雰囲気は殺伐としていて、旅行者がカメラをぶら下げて街を歩くなんてもっての外。すぐに強盗されてしまうだろう。

一方、ここイリンガはタンザニアの中では裕福な町として知られており、町全体がのんびりした空気に包まれている。安心してカメラを持ち歩けそうだ。

イリンガの子どもたち

イリンガの子どもたち

イリンガの市場

イリンガの市場

なんのあてもないまま町をぶらぶら歩いていると「チャイニーズ」と声を掛けられた。振り向くと、そこは小さな小屋。目つきの悪い若者が顏を出していた。「こっち来いよ」と小屋の中から手招きしてくる。

普段なら完全に無視するところだ。しかし、この時の僕は若者に吸い寄せられるように小屋に向かって行った。なぜいつもと違う反応をしたのか……それは、そいつが酔っ払っているように見えたからだ。

小屋に入ってみると、ぷーんと酒の匂いがした。数人の男らがプラスチックのカップに入った液体を飲んでいる。

「それ何?」

「バンブージュースだよ」

ラウンジとは、竹からできた酒である。バンブージュース……ってことはビンゴだ。

グイグイ飲める爽やかな味

ついに幻の酒を発見した。怪しい男に吸い寄せられた自分の嗅覚が間違っていなかったことが面白くて、思わず笑みがこぼれてしまう。

「何ニヤニヤしてるんだ、おまえも飲むか?」

最初は男らと同じようにプラスチックのカップに注がれたが、僕が写真を撮りたいと伝えると、わざわざグラスに入れ替えてくれた。

幻の酒ウランジ。白く濁っている

幻の酒ウランジ。白く濁っている

白い半透明の液体。どんな味がするのだろうか。恐る恐る口にしてみると、思ったより口当たりが良くて飲みやすい。微発泡で爽やかな味。アルコール度数は5%以下だろう。グイグイ飲める。

どのように保存されているのか気になって覗いてみると……衛生状態がヤバい。

バケツに保管されているウランジ

バケツに保管されているウランジ

まぁ気にしても仕方ない。腹を壊してもこの際かまわない。今この時間を楽しもう。カタコトの英語を話す若者と一緒にしばらく飲んだ。

ウランジで酔っ払ったタンザニア人の若者

ウランジで酔っ払ったタンザニア人の若者

値段はビールの5分の1

タンザニアでは、バーでビールを飲むと2500タンザニア・シリング(125円)ほどする。1リットルなら250円だ。一方、ウランジは1リットルで50円以下。ビールの5分の1の値段で飲めてしまう。こうした理由で、お金のない酒好きの庶民が大量にウランジを飲むらしい。

ウランジを飲むには、まずイリンガを目指そう。ダルエスサラームからはバスで10時間ほど。市場に出回ることはなく、産地でのみ楽しむことができる。季節も重要らしい。12月半ばから6~7月の雨季の間が旬とのことだった。実際に、僕がウランジに出くわしたのも5月だ。

アフリカの田舎町で季節限定、産地だけで楽しめる幻の地酒。酒と旅が好きな人にはぜひ試してほしい。

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JOJO
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「旅×エロ」をテーマに世界一周中の海外風俗ブロガー。激務のストレスで会社員生活から逃げ出し、2014年に世界一周の旅に出発。 旅を続けながら海外風俗ライター・ドイツの高級風俗FKKの案内などの活動もしている。まだ見ぬエロを求めて現在も世界を放浪中。
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