M性感が好きだ。

正確に言えば、“大阪のM性感”だ。

簡単に説明すると、ジラしにジラして手コキでフィニッシュ。
本当に簡単過ぎたので、もう少し説明すれば痴女が言葉責めをしながら……という展開でフェラ無し。基本的にランジェリー姿（オプションで脱ぎはあるけど）、という感じか。

この、相手が脱がない、舐めない、だけどイカされるっていうね。
風俗ユーザーの中には「ノーフェラ、ノーフーゾク」な人がいるけど、俺にとってはノーフェラこそがM性感だ。

それが、どうだい？　東京にM性感はあるにはある。
しかし、どこもかしこもフェラがあるんだよな～。
これは単なるヘルスだし、百歩譲って“M性感式イメージヘルス”ってするべきじゃねえか？
それほどこだわりがある。

しかし、そんな東京風俗界ながらも

フェラ無しの（俺にとっては）正当M性感があると聞きつけ、やって来たのは渋谷。

店員から、何度も「当店では女性からの口によるサービスはございません」を注意される。
こちとら、それを望んでココに来てるんだって！
まぁ、それを望む分かってないユーザーが多いってことだな。

先にホテルにチェックインして５分もすると痴女様が現れた。
かなりの美人だよ、地雷話なのに。

しかし、彼女は挨拶することもなく、「脱いで」と一言。

なんだ、コイツは？

そんな気持ちになり、当然のことながら会話もない。

部屋に訪れる静寂……

でもなかった。

クチャクチャという音がする。

そう、ガムを噛んでるんだよ、この痴女。

どうやら、そのガムを噛んでの、少し態度が悪い接客方法こそが痴女らしいと思ってるらしいな、この女。

「ちゃんと洗いなさいよ！」と、俺の一人シャワーを監視している間も、ベッドで「どこが感じるの？」とぶっきらぼうに言い放つ際もクチャクチャ……。
しまいには、俺の身体に唾を垂らす寸前までクチャクチャ……。

当然、その唾はガムのミント臭交じりで、

ス―スーして意外にも気持ちいい～

……なんて言ってる場合じゃねえぜって！

皆さん、御存知ですか？

このガムのミント臭、シャワーで洗っても、なかなか落ちないんだよ。

おかげで、その後、友人に会った時に「変な香水つけてる？」なんて言われたりしてな。
これ、バラの香りのガムだったら浮気を疑われてたぜ？
まぁ、疑ってくれる相手がいないけど（泣）。

そんなこんなで、その後、半日、俺はフレッシュミントの香りに包まれながら過ごした。
家に帰って、シャワーでそのニオイを取り除くことはできたけど、結局、この地雷、取り除けませんでした……。

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（文：亦滑訓仁）