上野の若妻系デリヘルで遊ぶ

久しぶりの寄稿である。ということは、奇行もせずに平穏な風俗ライフを送っていたということになる。

事実、イチ風俗ユーザーとしては、ありがたいよ。だけど、原稿を書いて生活の糧を得ているライターとしては困ったことでもある。しかし、本音としては、やっぱり嬉しかったよ、キレイな痴女に責められるのは。

で、先日のことだ。上野で用事があって、それが済んで、某風俗サイトをチェックした。隣の鶯谷や近隣の吉原が盛んだから、実は上野って風俗のイメージが薄かったりする。しかし、探してみるとけっこうあって。俺は『Ｈ』という若妻系のデリヘルを呼ぶことにした。

困ったのは上野の土地勘が無いことだ。つまり、どこにホテルがあるとか分からない。そこで、アメ横の程近くにレンタルルームを見つけたので、そこを利用することにした。

しかし、部屋を開けて驚いたね。超狭いのだ。シャワーブースを含めて１畳半といったところだろう。この時、少しだけ、これからやって来る女性に申し訳ないと思ったのは事実だ。

あの有名プロレスラーにソックリ……。

10分後、俺の頭の中には『パワーホール』って曲が流れた。ちなみに、『パワーホール』ってのはプロレスラー長州力の入場テーマね。つまり、その嬢、『長州力』にソックリだったんだよ……。正確に言えば長髪を振り乱して革命戦士と呼ばれていた若かりし頃の長州力にソックリなのだ。俺、この時点で戦意喪失ね。だって、下手なことをしたらキレられそうじゃん、「キレてないですよ」と言いながら。

そんな長州女は何やらゴニョゴニョ言いながら俺に何かを差し出し、「ナイスモーフィン！」と言った。部屋が狭いこともあって、声が反響したこともある。しかし、ナイスモーフィンって何だよ？　モーフィンってコンピューターグラフィックスの技術の一つだろ？　でも、俺、風俗で遊ぶのにＣＧなんか使わないし（当たり前だ）。

不思議に思い、彼女の手を見ると缶のアイスコーヒーが握られていた。そう、滑舌が悪くてアイスコーヒーがナイスモーフィンに聞こえたのだ。そういえば、長州力って最近、滑舌が悪いおじさんとして注目を集めているけど、顔が似ていると滑舌まで似てくるのかよ？

その後もイロイロと話しかけてくるんだけど、滑舌の悪さと部屋が狭くて声が反響して８割が何を言っているのか分からないという……。聞き返すと「なにコラ！　タココラ！」って言われそうだから聞き返せないし。そんなんだから本●をお願いしようものなら「またぐなよ！」って言われそうだ。もちろんしないけど。

何を言ってるか分からない！

そんで、プレイも終わりに近付いた頃のこと。長州女は俺の目をジッと見つめて、こう言った。

「テニスフェア？」

ん？　そんなにテニスを推したいのか？　それともテニスウェアと言ったのか？　俺が戸惑っていると、彼女はさらに大きな声で言った。

「テニスフェア？」

分からん！　そこで俺は「お任せします！」とソツの無い答えで切り抜けようとしたが、彼女は「ＯＫ！」というと手コキを始めた。俺は口でイキたかったので「フェラで！」と言うと、「だって、さっき、お任せって言ったじゃん！」的なことを言いだした。

どうやら、彼女は「（フィニッシュは）手にする？　フェラ？」と聞いていたようだ。それが滑舌の関係で「テニスフェア？」と聞こえていたようだ。

結局、ほとんど何を言われているか分からないので、この地雷、取り除けませんでした……。

（文：亦滑訓仁）