第15回 病床に臥すも虹彼女はスルー【新羽七助のゴーゴーバージャーナリストへの軌跡】

タイに移住して約6か月。記者として経験を積み、ゴーゴー嬢ではあるもののナーラック(かわいい)な彼女と付き合い、他のゴーゴー嬢や素人とこっそり浮気し、それなりに充実した日々を送っていた。そういう時にこそ落とし穴に気を付けなければならないのだが、当時はまだ若かったため、目先の快楽をひたすらに追求し、不摂生極まりない生活を送っていた。
ある朝、起床すると、体がだるく節々が痛い。のどが腫れ、頭が痛く、下痢も発症している。典型的な風邪の症状である。その日は午後から記者会見に出席する予定だったが、この状態では不可能と判断。先輩記者に電話して病欠を伝え、日本から持って来た常備薬を服用して昼まで寝たが、良くなる気配はない。病院は大の苦手だが、行くしかないと覚悟を決めた。
記者会見が催される高級ホテルも多いバンコク中心部シーロム=新羽七助撮影
会社の社会保険に強制加入しているため、指定病院であるバンコク中心部トンローの「カミリアン病院」を無料で受診することもできるし、当時は日本の海外旅行保険にも加入していたため、「バンコク病院」や「サミティベート病院」など大手総合病院をキャッシュレスで受診することもできる。しかし、その時の私には保険を有効活用するような余裕はなかった。アパートがあるラチャダー界隈の安い診療所で簡単に診てもらい、一刻も早く薬をもらって休みたかったのである。
とは言っても、ラチャダーの診療所など行ったことがないので、ナナプラザのゴーゴーバー「レインボー1」で働く彼女、ミントに電話し、助けを求めることにした。
「おはよう……風邪を引いてしまったみたいで、病院に行きたいんだけど、一緒に来てくれないかな?」
「ごめん……今日は忙しいから一人で行ってくれる? (アパートから最寄りの)ホイクワン駅前にクリニックがあるから」
異国で困っている彼氏を助けてあげるのが、彼女の役目ではないのか。私を助けるよりも優先されることとは、いったい何なのか。極めて自己中心的な思考回路に基づき、私は腹を立てた。体調が悪くて冷静な判断ができないこともあり、イライラをそのまま彼女にぶつけた。
「ふざけんなよ! 彼氏が風邪引いて、会社も休んで寝込んでるのに、放っておくのか。俺たちは付き合ってるんじゃなかったのかよ!」
「うん、確かに付き合ってるんだけど、今日は本当に忙しいの。また電話するからじゃあね」
一方的に電話を切られ、何回かかけ直してみたが、ミントは出てくれなかった。
頼んでもいないのに、引っ越し作業まで手伝ってくれた彼女の優しさはいったい、どこにいってしまったのか。ゴーゴー嬢の仕事は夕方から始まるにもかかわらず、昼間からやたらと忙しそうにしているのも気になる。失望したが、外国に移住した以上、自分の問題は自分で解決しなければならないことももちろん分かっているので、ミントに教わった駅前のクリニックに一人で行ってみることにした。
風邪回復も歯車は狂い始める
クリニックの内外装はかなり寂れており、患者は数人しかいない。受付で簡単な手続きを済ませると、さっそく医者に診てもらえることになった。出てきたのは、ヨレヨレの黄ばんだ白衣を着込んだおじいさんドクター。怪しく頼りない風貌だが、ドクターだけあり、英語は意外と上手だ。問診や触診などの結果、やはり一般的な風邪という診断だった。
「免疫力が低下しているようだから、しっかりと栄養を取って、しばらく静養するように」
「はい……ありがとうございます」
「夜遊びはほどほどにするように。性病にも気を付けなさい」
「え、夜遊びしているとか一言も言ってませんが……」
「そんなこと少し話せば分かるんだよ、きみ」
「すいません……」
おじいさんドクターには1本取られてしまったが、薬はきっちりと処方してくれたので、着実に回復し、数日で仕事に復帰した。病床に臥している間、ミントとはSMS(ショート・メッセージ・サービス)で少しやり取りしていたが、電話はかかってこなかった。意地っ張りな性格なので、自分からも電話せずに我慢していたが、このままではまずいと思い、仕事のめどがついた金曜日の午後に電話をかけてみることにした。
「もしもし、この前は怒鳴ったりしてごめん。風邪は治ったよ」
「マイペンライ(大丈夫)。治って良かった」
「なんか忙しいみたいだけど、近々会えないかな?」
「うん、わかった。また連絡する」
土曜日の朝、ミントが約束通り、連絡をくれた。「お客さんとのロングが終わったので、今から七助のアパートに行く」という。そわそわしながら1時間ほど待っていると、ドアをノックする音が聞こえた。
部屋に来たミントは、相変わらずかわいかった。いつも通りセ●クスもしたが、なんだかよそよそしい。
「なんか元気ないみたいだけど、どうしたの?」
「ううん、なんでもない……」
ミントは私の部屋で数時間過ごした後、一緒に食事をすることもなく、買い物に行くこともなく、タクシーで自宅へと帰っていった。
私は部屋でひとり考え込んだ。彼女の態度は微妙に変化している。歯車が確実に狂い始めている……この胸騒ぎは残念ながら的中することになる。(つづく)
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- 2018/03/24
- タイ風俗