第23回 サンパウロ今昔物語(3)【嵐よういち・海外裏ロード】

強盗の恐怖
ブラジルのサンパウロにあった全盛期の「ペンション荒木」は本館、新館、新新館と建物が3棟あって、繁盛していた。
本館は地下鉄サン・ジョアキン駅から坂を少し下った場所にあり、そこにはオーナー夫妻や、主にこの宿を住居にしている人々が宿泊していた。新館は本館から歩いて2分もしない場所にあり、建物は古くてボロボロだが、自炊する場所があるので「普通の旅行者」が中心だった。俺も含めた遊び中心の濃い面々は、そこから1分のところにある新新館に宿泊していた。
ブラジルは治安がかなり悪いことで有名だが、この宿も昔から何回も強盗に入られていた。俺は2つの事件について直接、話を聞くことができた。
新館入口のドアは二重扉になっている。宿泊者は入口の鍵を2つ持たされる。そして外部から知り合いが来る場合は、外からブザーを鳴らし、宿泊者の誰かが開けてあげる仕組みだ。
ある夜、ブザーが鳴った。男性旅行者がドアを開けるといきなり銃を突き付けられた。
「中に入れろ」
強盗はそう言って侵入し、他の旅行者も脅して金品などを奪って逃走した。
宿のオーナーのおばちゃんは銃を持っていた。自分では撃てないが、持っていないと不安で寝られないという。そのおばちゃんは、こんな話を俺にしてくれた。
本館にしばらく泊まっていた30歳くらいの男性バックパッカーがいた。その男がチェックアウトしてしばらく経ったころだ。おばちゃんがサロンでくつろいでいると、チャイムが鳴った。誰かと思って小窓から覗くと、その男であった。
男は笑顔で「おばちゃん、久しぶり~」なんて言うもんだから、おばちゃんは警戒心も抱かずに玄関に出てドアを開けると、その後ろには黒人の男がいた。すると黒人男がいきなりおばちゃんの頭に銃を突き付けた。そして現金を奪われ、男と銃を持った黒人は逃走した。
普段から明るいおばちゃんはこの時、俺に対し、悲しそうにこう言った。
「その事件があってから、銃を持っていないと怖いのよ」
手癖の悪い旅行者
宿の中は盗難の被害もあるので警戒していた。大事な物は洋服ダンスに入れて鍵を掛けるか、スーツケースに鍵を掛けて保管するしかなかった。兄貴分のシユウさんは俺らとリオデジャネイロに遊びに行った数日後に宿に戻ると、高級な香水と、ポルトガル語の辞書を盗られていた。
犯人は同じ部屋にいた、クリチバという街に住んでいる日本人の男だった。絶対にその男しかいない。今だったらソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などインターネットで報復ができるが、この時はそんな方法もなかった。
俺は冷蔵庫にワインを入れていたのだが、なくなっていたことがあるし、他の旅行者からもらった日本の食品が紛失したりもした。頭にきたのは、次にブラジルに訪れた時のために、古いリュックサックを半年以上預け、中に革靴を入れていた。サンパウロに着いてその革靴を出して遊びに行こうと思っていたのだが……盗られていた。
メガタウンであるサンパウロの治安はかなり悪い
SMマニアの変態
サンパウロに遊びに来る連中の中には変わった趣味の人、まあ、変態なのだが、そのような人たちも遊びに来ていた。彼らの特徴は、年齢が30歳以上で遊ぶ金はそこそこ持っていて、世界中で遊んできて、最終的にブラジルにハマッてしまったことが挙げられる。
Aさんという人がいた。ドミトリーで同じ部屋だった。俺よりも年上で、腰が低く、ポルトガル語もかなり上手だった。皆からこの人の噂はかなり聞いていた。SMマニアなのだ。
いつも洋服ダンスに厳重な鍵を二重に掛けている。中を見たことはないが、この中にはSM道具一式が入っているのだ。もちろん俺にはそんなことは話してこないし、皆と一緒に遊びに行くこともない。彼は就寝前に蚊取り線香をたき、部屋を閉め切る。臭くて仕方ないし、服に匂いがついて困ったものだ。さらに体が大きくないのにイビキが大きく、寝るのが大変だった。
Aさんは遊びに行った店で、女とSM交渉をし、自分の道具を使って楽しむのだそうだ。
ある夜、今井さんはAさんとボアッチ(ナイトクラブ)に遊びに行き、それぞれ気に入った女を見つけてホテルに入った。ことを終えた今井さんはAさんと一緒に宿まで帰ろうと思い、Aさんが楽しんでいる部屋をノックした。だが、何の反応もない。今井さんは部屋のドアを開けてみると、鍵を掛け忘れていたらしく、ゆっくりと開いた。
すると……普段温厚なAさんがすごい形相で、女の尻にムチを叩く瞬間だった。今井さんは驚き、声も出なかった。すると、Aさんはそれに気が付き、一瞬にして普段の顔に戻り、こう言った。
「すいません。あと少しで終わるので、終了次第、今井さんの部屋に行きますね」
Aさんは日本と往復しながらそんな生活をしていたが、日本で恋人ができて、結婚するということになり、それから知り合いの墓参りでサンパウロに来ることはあっても夜遊びをすることは一切なくなった。彼にとって本当に必要な、大事な人を見つけられたのだろう。
ほかにも個性的な人がいた。日本からセーラー服や看護服、セーラームーンなどなど、スーツケース2つに大量のコスチュームを持ってきて女と交渉。必ず着せてヤラないと興奮しないという性癖の持ち主だった。彼は隠すことなく皆に自慢げに話していた。
彼が帰国する際には、不要なコスチュームを宿に置いていった。その後、俺が宿にやって来ると、バニーガールや少女アニメのキャラクターの衣装が棚の上に置かれていた……。
けちなオヤジ
遊びに来る人の中には、けちなオヤジも生息していた。ボアッチによっては入場料にドリンク代も含まれるのだが、帰る時にそのドリンクを鞄やポケットにしまったり、とにかくセコセコしていた。
日本にいたらこのようなやつらとは付き合いたくないものだ。例えば、ボアッチにいて他の旅行者が女と仲良くなる。すると、そのオヤジは旅行者の前にきて「それは私の女です」と絡むのだ。言われた方はしらけるし、たまったものでない。
その女と恋人同士ならいざ知らず、買って遊んだだけなのだ。そんなにその女のことを気に入っているのならまだ分かる。だが、どの店に行っても同じで「その女は私のです」と言うのだ。けちで独占欲が強いのは勘弁してもらいものだが、今となっては良い思い出である。
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