あなたは特別【新羽七助のゴーゴーバージャーナリストへの軌跡 第5回】

慌てて「レインボー2」に駆け込むと、黒いビキニにジーンズ生地のホットパンツ、赤のロングブーツを身に付けたプイが、ブスッとした表情で同僚ら数人としゃべっていた。
新羽七助撮影
ゴーゴー経験が少ない私は「怒らせてしまったかな……」と焦り、彼女を席に呼び寄せて釈明した。
「レインボー1のコとは話してただけで、ペイバー(連れ出し)はしていないんだ。プイの誤解だよ。それでも疑うなら、レインボー1の友だちやママさんに聞いてみるといい」
「そんなことはどうでもいい。私よりもあのコの方がかわいいか?」
「いや、プイの方がかわいいよ……」
ペイバーしたかしていないかは問題ではなく、どちらをより気に入っているかを知りたいようだった。
佐田真由美の方が好みだと素直に言いたい気持ちも芽生えたが、馬鹿正直に話したところで何も得しない。その代わりに、かわいいだとか、セクシーだとか、ミスユーだとか適当なお世辞を並べると、今度はプイが反撃してきた。
「私のことがそんなに好きなら、今夜もペイバーするか?」
「ペイバーしたいけど、学生だし、お金がそんなにないんだ」
「お金いらない。ペイバー600バーツだけでいい。あなたのことが好きだから特別」
たかさんから事前に、「タイのゴーゴー嬢は客のことを気に入ると、その客から金を受け取らなくなるらしい」と聞かされていた。
「金のために働いているのに、そんなことがあり得るわけないじゃないですか」と反論したものの、その状況が現実になろうとしている。プイに“特別”と言われ、嘘だと分かっていても胸が熱くなった。
「600バーツだけなら大丈夫だから、ペイバーするよ」
「ありがとう」
ラチャダーのディスコへ
すでに深夜になっていた。
プイは宿に帰らずにディスコに行こうという。ナナプラザを出て、ソイ4入口のガソリンスタンド前からタクシーを拾い、今はなきラチャダーのディスコ街に到着した。
プイが常連だというディスコに入ると、一目でそれと分かるケバい売春婦とそのヒモみたいな連中がダンスミュージックに合わせて能天気に踊っている。私は所作が分からず、もじもじしていると、プイは注文したウイスキーボトルを開け、氷を入れたグラスに注ぎ、コーラも加えてかき混ぜたものを私に手渡してくれた。
「はい、これ飲んでみて。タイの女のコは優しいでしょ」
そのウイスキーの銘柄も値段もよく分からなかったが、プイが作ってくれたウイスキーコークはなんだかとてもおいしかった。
その後、例の「お姉さん」と呼ばれる先輩格の同僚数人が合流。
ケチな私は「彼女らの分まで払わされるのだろうか……」と身構えつつも、しばらく一緒に飲んだり踊ったりしていたが、プイはお姉さんの一人に1000バーツほど払い、私の手を取って店を出た。
「もう疲れたでしょ。オムニタワーに帰るか」
「う、うん」
ディスコでただで遊べたことよりも、プイの気遣いがうれしかった。でも、私はやっぱり騙されているのか、あるいは本当に好かれているのか……酔った頭でいくら考えても、答えはもちろん出ない。
われわれは宿に戻り、互いが恋人であるかのような本気のセックスをし、昼過ぎまで泥のように眠った。
デートはMBK
プイは起きた後も家に帰ろうとしない。主導権はもはや彼女が握っている。
「七助、どこ行くか」
「え、何も決めてないけど」
「デートに行くか」
「うん」
デートと言っても、どこに行くのか見当がつかなかったが、タクシーで連れてこられたのは、「MBK(マーブンクロン)センター」というデパートだった。
当時からエンポリアムやサイアムパラゴンといった高級デパートはあったが、ゴーゴー嬢を含む庶民のタイ人が買い物を楽しむ場所と言えば、MBKが主流だった。
MBKには数え切れないほどの洋服屋や金行、宝石店、携帯電話ショップ、飲食店などが軒を連ね、東南アジア独特の活気が充満している。先進国のショッピングモールしか知らない私には新鮮だった。
プイには、若者が好みそうな陳腐なTシャツやキャミソールなどをねだられた。単なる学生の身であり、先日知り合った異国の女に物を買ってあげられるような余裕はなかったが、ディスコでしてもらったことを考えれば安いものだと思い、数枚買ってやった。
「七助、ありがとう。お腹空いでしょ。何食べたい?」
「よく分からないから何でもいいよ」
「タイ料理と日本料理、どっちがいい?」
「やっぱりタイ料理を食べてみたい」
プイのチョイスはタイスキの「MK」だった。
肉や海鮮、つみれ、野菜などさまざまな食材を鍋で煮て、パクチーが効いたピリ辛のタレに付けて食べるタイスキ。日本のすき焼きのスタイルも取り込んでおり、れっきとしたタイ料理とは言い難いが、その一部を形成していることは確かだ。
どう食べていいのか分からなかったが、プイは私のために食材を取り分けたり、ニンニクや唐辛子などの薬味をタレに入れたりして、タイスキの食べ方を具体的に教えてくれた。
「おいしい?」
「うん。おいしいはタイ語で何ていうの?」
「アロイ」
「うん、タイスキはアロイだ」
端から見れば、日本人客とタイ人娼婦のバカップルとしか言いようがないが、私はもはや己の行動を客観視できなくなっていた。
このチャンスを逃してはならない。今はプイとなるべく一緒に過ごすべきだ、いや、一緒に過ごしたい。タイスキを食べながら、そんなことを考えていた。(続く)
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- 2018/01/13
- タイ風俗