第9回 ピピ島の暗黒マッサで手コキ【タイのビーチはおじさん天国】
タイのビーチはおじさん天国

タイ南部のアンダマン海に浮かぶ秘島。かのレオナルド・ディカプリオ主演の大ヒット映画「ザ・ビーチ」の舞台。いったいどんな未開の島か……と期待に胸ふくらませて船に乗り込めば、そこには山のような観光客が詰め込まれていて、いきなり困惑するだろう。

そして到着したピピ島の桟橋は、毛唐(けとう)のバックパッカーどもで大混雑の大行列。何を待っているのかといえば、入島料一人20バーツ(約70円)を徴収するチケット売り場があるのだ。大量に押し寄せる観光客のため島の自然の破壊は進む。そのため、環境の保護や清掃などに使うということだが、そんなもの聞いてねえぞボッたくりやんけ、と抗議するドケチな毛唐もおり、列はなかなか進まない。暑い。汗が吹き出る。

ようやく桟橋を抜け、怒涛のように押し寄せるゲストハウスの客引きどもをやり過ごすと……目の前に広がるストリートはほとんど、首都バンコクにあるバックパッカーの聖地カオサン通りなのだった。カフェや土産物屋、旅行会社、マッサージ屋、コンビニ、そこを練り歩く大勢の旅行者ら。なにが秘島か。米マクドナルドまでがオープンしていたのには、驚くよりも呆れた。

これでいいのかピピ島よ。かつてはほんの数軒ゲストハウスがあるだけで、電気にも乏しいまさに秘境だったが、今や俗悪なる観光地に成り果てているではないか。

太古の姿をとどめていたジャングルや、どこまでも潜れそうな透明度を誇るサンゴの海も、ずいぶんと汚れた。だから入島税を課し、それだけではもう手の施しようがないので、とうとう2018年からは、6~9月の間は島を完全閉鎖することになった。実利主義のタイ人にしては思い切ったものである。なので「ほいなめ」読者諸氏も、ピピ島を訪問するなら10~5月の間でよろしく。

さんざんコキ下ろしはしたが、それでもピピにはため息をつくような大自然がまだまだ残っている。島の北部ロ・ダラム湾や、東部のロングビーチに行けば、クリーミーグリーンの、まるでおとぎ話のような海が広がる。

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海はやはり抜群にきれい。タイの中でも特に透明度が高い

南の海域にあるピピ・レ島にボートで向かうと、今度は吸い込まれそうな深い深いエメラルドグリーン。もちろん東西からやってきた娘たちのビキニもぷるんぷるんで、その点では観光地化に感謝したい。

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ボートをチャーターして海を探検しつつ飲むのも楽しい

一方、切り立った山岳部には緑豊かな原生林が残り、マイナスイオンを浴びながらトレッキングして登っていくと、全島を見晴らすビューポイントに出る。汗をぬぐい、風に吹かれれば、おじさんだって心清らかになる。

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ビューポイントから中心部のトンサイを望む

そして島中心部のトンサイでキンッキンに冷えたビールを盛大に流し込めば、やはり豊かな気持ちになってくる。

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酒やジュースをバケツに入れて混ぜ合わせてストローで飲むのがタイビーチのスタイル

絶望的な手コニック

そんなピピ島の夜である。

ビーチ沿いには例によって、砂浜に広がるバーがいくつもあって、下品なレゲエやトランスを垂れ流している。

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中国人も多いが、ここでは白人どもが一大勢力である。彼らに負けてはならない

そしてトンサイ中央部には、オープンエアのパブがいくつか密集している場所があり、毛唐どものたまり場になっているのだ。ビール瓶を片手に通りをうろうろしながら音楽に合わせて陽気に飲んでいる毛唐ら。ムエタイショーの店まである。

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まるで自分たちの国であるかのように盛り上がる毛唐ども

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度胸のある人はぜひ毛唐の若メコをナンパしてみてほしい

どういうわけだか店を手伝って客引きしている白人ギャルまでおり、下はショートパンツ、上はビキニなんてエロい格好で通りすがりの旅行者らに声を掛けているではないか。たまんねえ。パツキンビキニと乾杯できるなんてそうそうあることではない。よし。

口笛なんぞ吹きながら左右をチラホラしつつ、わざわざパツキンの前を通ってみるのだが……俺には声一つ掛からないのであった。キモいおじさんだから無視されているわけではない。中国人や韓国人の旅行者に対しても、空気のような完全スルー。若い女の子だってアジアンは相手にされないのである。露骨なまでのイエローお断りな雰囲気。レイシスト(差別主義者)どもめ。タイでは極度に観光地化された場所だと、時々こういうことがある。ケッ、胸クソ悪ぃ……。

あんな連中ほっといて、ローカルな店で飲みたいところではあるのだが、ここピピ島はどこまでもツーリスト仕様。宿やレストランで働いている労働者向けの飲み屋すらない。

何かないか、何か……さまよい歩いていると、えっと思った。どう見たってアヤしいピンクネオンが「Massage」の看板を掲げて灯っているではないか。傍らのプラスチック製いすに座る、数人の女。まったくやる気なさげにスマートフォンに目を落としている。いいとこ30代だろうか。浅黒い肌にタトゥー。こんな店があるのか。バンコクの裏町にだってなかなかない、暗黒臭の漂うドローカル系マッサージ。怖すぎる。いったい誰がこんな店を利用するのだろう。

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発見した暗黒マッサージ屋。なかなか貴重な体験ではあったが……

ボッたくりと性病の巣窟のような気もした。しかし、そそられた。ニコリともせぬババアの前に立つと、ドアを開けて入るようあごで示される。ほとんどお化け屋敷に挑戦する気分で、ギィィィ……と古びた扉を押し開いてほこり臭い室内に潜入する。暗い。だが奥は意外に広く、深い。

いつの間にか傍らに立っていた嬢に肝を潰しそうになるが、促されて部屋の隅のマットに横たわった。臭い。そして嬢をチョイスする権利は与えられていないようだった。

物も言わず始まるマッサージ。期待はしていなかったが、それにしたってヘタクソである。それもそのはず、目を開けて嬢を見てみれば、床に置いたスマホを右手で操作し、左手のみでおざなりにマッサージするという手抜きぶりであったのだ……ナメてんのか!

もういい。抜け。

おもむろに短パンとパンツを下ろしてチンポを差し出してみると、素直に手コキに及ぶのだが、これまた投げやり。あぐらをかいて片肘つきながらコスコスするのみで、手コニックもクソもない。愛もない。

それでも俺はよく頑張ったと思う。せっかくだからと修験者(しゅげんじゃ)のごとき集中力を見せ、気合い一閃(いっせん)、見事に達し、嬢のショーパンにぶちまけてやったのであった。

「あーもー、ソカプロックマーク(めっちゃ汚れたし)……」

ふん。淫売め。

多少、心に傷を負いつつも目的を果たした俺は店を出て、波音の中を散歩した。だが去来する敗北感。ピピ戦は負けであった。認めよう。しかしこのままでは済まさない。来たるべき再戦の日に向けて、俺は今から闘志を燃やすのだった。

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メンダー大久保
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団塊ジュニア・氷河期世代の負け組底辺。
わずかな稼ぎは年3、4回のタイ旅行に全て消える。重度のキッスフェチであり、唇を重ねる時は必ず歯グキまで舐め回す。AVはベロチュー手コキものしか鑑賞しない。
弾ける若さのショートカットが好物だったが、最近はしっとりとしたおばさんに惹かれるようになった。アル中
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