第11回 カンボジア・ココンのビアガーデンでほっこり(番外編) 【タイのビーチはおじさん天国】
今回の目的地は、タイはタイでも国境である。首都バンコクからはるか東、カンボジア国境にやって来た。目的はズバリ、ビザ(査証)ランだ。
両国の国旗がはためくタイ湾東部、国境の海
日本の旅券(パスポート)を持っている人間は、タイにノービザで30日間の滞在が可能だ。だが、タイの夜にハマり長期滞在をしていれば、30日などあっという間。その期限が来たらどうするか。手っ取り早いのは隣国に行くことなのだ。
例えば、今の俺のようにカンボジア国境に行ってタイを出国、カンボジアに入国して速攻でタイに戻ってくれば、タイで再びだらだら過ごせるのである。これをタイに滞在しているクズ外国人の間では「ビザラン」という。
だが当局は、ビザランを利用して沈没を続ける外国人の多さに業を煮やし、わが国は不良がいつまでも滞在していい国ではないのだと、陸路でのビザランは年2回までに制限されてしまった。しかも陸路入国の場合、滞在できるのは15日だけ。なんとも世知辛い世の中である。
その貴重なビザランの1回を使い、やってきましたハートレック国境。タイの東のどんづまりは、一面にタイ湾が見渡せ、なかなかに風光明媚なところなのであった。国境事務所のあるあたりは漁村でもあり、小さな市場ではスルメやらエビやら海産物がどっさり売られている。
さて、まずはタイ出国だ。平屋建ての小さなイミグレーション(出入国審査場)の窓口にパスポートを提出すると、すぐに出国スタンプが押されて帰ってきた。あっさりとしたものである。そこから歩いていくと、今度はカンボジア側のイミグレーションが見えてくる。翩翻(へんぽん)とひるがえる両国旗に国境気分が盛り上がる。
そして……圧倒的な両国の民度の違いを思い知らされるのである。
「ダンナ、ダンナ。ビザはまだだろう。俺が取ってやるよ。ビザは30米ドル(約3300円)。俺のギャラは200バーツ(約700円)でいいぜ」
いきなり近づいてきてヘタクソな英語でまくしたててくるうさん臭い男。フン。こんなやつは無視するに限る。さっさと書類をもらって自分でビザの手続きをすればいい。簡単なのだ。
だが、イミグレーションの係官はその男を指さし、「そいつに頼め」なんて言うではないか。国境を管理する公務員が、こんな怪しい人間に業務を委託しているのである。さすがは汚職の国、修羅の国カンボジアである。
係官は「そいつを通せ」の一点張りで書類すら渡してくれないので、仕方なく悪のイミグレーションの軍門に下った。たかがビザの書類を記入するだけで、この男は200バーツを得たのである。そこから係官にはどのくらいのワイロが渡るのか。外国人を相手に1日中これを繰り返していれば、けっこうな儲けになりそうである。
問題のカンボジア側イミグレーション。ここからいきなりワイロの世界になる
そしてこの男、ビザ屋から今度はバイクタクシーに豹変したのである。
「ダンナ、ココンの街を見ていくだろう。ココンにはなんでもあるんだぜ。ハッパの産地で安くてうまい。それに、女のいるムラも」
何? それは聞き捨てならない。トンボ帰りでタイに戻ろうかと思っていたのだが、この言葉を聞いてしまってはそうもいかない。俺はバイクの後部座席に打ちまたがり、男と2ケツでココンの街を目指した。
欧米人いわくチキンファーム
タイ人が遊びにやって来るカジノを通り過ぎ、日本が国際援助によって架けた橋を渡ると、ココンの街だ。
日本がつくったココン橋。この先にココンの街が広がっている
カンボジア西部の中心的な街ではあるのだが、高いビルがあるわけでもなく、海に沿ってこぢんまりとしたホテルや民家が並ぶ静かなところであった。潮風が心地よい。
ココンのローカル市場で商うおばはんたち。カンボジアの地方ではこんな市場が買い物の主流
市場の中の食堂ではやっぱり魚がうまかった。ショウガと豆醤(まめびしお)のようなもので味付けしている
「ダンナどうする? 女か? 草か?」
「草はどうでもいい。女だ」
「よしきた」
男はバイクをさらに郊外に走らせていく。周囲はすぐに田畑の広がる農村となった。舗装は途切れ、カンボジア独特の赤いラテライトの大地が広がる。こんなところでマ〇コできんのかよ……人目につかないところで殺されるんじゃあるめえな……ちょっとドキドキしてきたころ、バイクは掘っ立て小屋のような民家の前で停まった。
男の呼ばわりに反応して、何人かの女が出てくる。が、全員が立派すぎる体格をした農村系女子である。うーん、これはちょっと厳しいかな……。
「じゃ、次行くか」
聞けば、こんな感じの置屋がいくつもあるらしい。口の悪い欧米人はこの一帯を「チキンファーム」などと呼んでいるという。確かにその言葉の意味が分かるような気もする。どの置屋も、おばちゃんとおデブちゃんしかいないのである。
その足元にはおそらく父親も誰だか分からないような半裸の子供たちが駆けずり回り、本物のニワトリもうろうろしており、なかなかにワイルドな環境であった。ここで一戦カマすのは、さすがにハードルが高い。
「それならカラオケでも行くか。クラブもあるぞ。マッサージも」
田舎町のわりにココンの風俗は充実しており、暗くなってくるとあちこちに猥褻(わいせつ)なネオンが灯る。あちこちバイクで流しながらどこがいいかと探していると、おっ。あれは……。
怪しいネオンはクラブのもの。若い連中が出入りする場所になっている
オープンエアのレストランなのだが、ステージがしつらえられており、エロい格好をした歌手が歌っているではないか。タイでいうカフェーのような施設は、カンボジアでは「ビアガーデン」と呼ばれている。情緒たっぷりのクメール演歌を聞きながら、アンコールビールでもやるか。
カンボジアの夜はビアガーデンが楽しい。とってもローカルな雰囲気
こんな辺境のローカル店に外国人が入ってくるとは想定外だったろう、店員らは驚き、あたふたしながらも、優しく歓待してくれるのであった。片言の英語が分かる店員にビールとつまみを注文。ビール瓶は、氷をたっぷり満載した大きなバケツに入れられて出てくるのがカンボジア流だ。シーサイドらしく、焼きエビとイカの炒め物を頼んだが、これがなかなかにいけた。
タイのカフェーと同じく、歌手を侍らすことができるというので、隣に座ってもらったが、なにせ言葉が皆目分からない。それでも歌手はにこにこしながら料理を取り分けたり、ビールを注いでくれたりとなかなかかいがいしい。その姿になんだかほっこりとしてしまい、俺の勃起は収まった。今日のところは飲むだけにしておくか。
ステージではやがて、男の歌手も入り混じり、さらに興の乗ってきた客たちも踊り始め、なんだか賑やかになってきた。いい風情だ。ビールがすすむ。こんな空気の中に身を置くたびに、やはり地方旅はいいなと実感する。
バンコクからも陸路で半日あれば訪れられるココンの街。国境越えの面白さやチキンファームに興味のある方は、ぜひ。
これぞインドシナの正しい田舎。オメコばかりせずに、たまにはこんなところも覗いてみよう!
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