皆様は良く耳にすると思いますが、タイ語で「ガトゥーイ」とはオカマちゃん、レディーボーイの事で、タイのガトゥーイ人口は半端なく、どこに行ってもかなりの確率で遭遇しますよね。僕の場合は、二十歳そこそこで、タイについて何の知識も無いまま、インド行きの経由地として初めてタイに行き、到着した日にいきなり強烈な「ガトゥーイ」に遭遇しました・・・

初めての訪タイで

ドンムアン空港からカオサン方面行きの５８番のバスに何とか乗り込んだのは良かったのですが、下車する場所を間違い２時間半もかかってなんとかカオサンに到着したのは良い思い出。

早速ガイドブックに載っていた怪しげな安ゲストハウスを探すと、細い路地を入った中庭の奥に、大きな古民家の様なゲストハウスがすぐ見つかった。

建物の入り口には大きな机が置いてあり、優しい顔したおじいちゃんが座っていたので、「部屋は空いていますか？」と聞くと、ドミトリーか個室かどっちだと聞くので、両方見せてもらう事にした。テーブルの横に荷物を置いて、幅の広いすき間から向う側の薄暗い廊下が見える階段を登り、二階のドミトリーに案内された。

部屋の中には６つのベッドが置いてあり、僕らが部屋に入って来たのを全く気にする様子も無い日本人らしき30代ぐらいのうす汚い男が、なにやらブツブツ言いながらベッドと窓の間をイライラした感じで行ったり来たりを繰り返している・・・

オイオイいきなり何コイツ！ヤバイよ、ヤバイよ、と二人とも小声で話し、即決で「オッケー、ノーサンキュー！」とおじいちゃんに伝え、ドミトリーを後にして、少し離れた狭い二人部屋に泊まる事にした。

荷物を部屋に運びながら、一緒に来たZ君に「なぁ、さっきのドミの奴、かなりのジャンキーだろ？危なくねぇかここ？しかもさぁ、あんな誰が見てもヤバイ奴が部屋の中をブツブツ言いながら「動物園のブチハイエナ」みたいに同じ所を行ったり来たりしているのに、顔色一つ変えずに淡々としている、おじいちゃんもどうかしていると思わない？」
と言うと、「こんな感じなんじゃないの？東南アジアの大都市の安宿なんて・・・」

生まれて初めての海外旅行のクセに生意気な口を叩くZ君にイラッとしたが、「そうだな、これからインド行くのにこれくらいでビビってちゃいけねぇな、でもヤバイ人には気を付けないと・・・」
と、一応気を引き締めるバカ二人であった・・・

唐突な出会い

宿泊名簿を書く為にパスポートを持って再び一階に降りて行き、手続きを終えると「館内案内をしてやるからここでちょっと待っていろ」と、おじいちゃん。すると間髪入れずに「じゃあ俺、ビールとつまみ買ってくるからお前聞いておいて！」とZ君に言われ、一人で待っていると、薄暗い廊下の奥からデニムのショートパンツとタンクトップ姿のセクシーな３０代半ばくらいのタイ人女性が「ウ～～ン」と言いながら僕に近づいて来た。

その女は、タバコ臭い息でタイ語訛りの英語を使い、かすれた声で「カムヒ～ヤ　バスル～ム　ウ～～ン」と腰を「クネッ」っとして言いながら、僕の腕に絡みついて来て、上目使いに僕の目を見てまた「ウ～～ン」と言った。

いちいち「ウ～～ン」と言わないと喋れないのかコイツは？と思いながら女の目を見ると、瞳孔が思いっきり真っ黒に開いている・・・
「うわっ、こいつもジャンキーだ！」と思って女の腕を見ると、火傷の跡の様な注射痕がいくつもあるではないか！コ、コイツは一体何者だ？

まだバンコクに着いて４時間しか経ってないのに、何なんだよこの怒涛の如く襲い掛かってくる訳の分からない奴らは～～っ！と、バンコクに対してどう立ち向かうかわかんなくなっている僕なんか御構い無しに、腕をしっかりホールドし「カムカム、ウ～～ン、ウ～～ン」と言いながら薄暗い廊下をグイグイ引っ張るジャンキー女・・・

そこで女を振り切ろうと思えば振り切れたが、チョット危ないと思いつつも、この突然襲って来た、B級エロ映画の様なシチュエーションに「せっかくのバンコクだし、真っ向勝負してやるぜ！」と、好奇心丸出しでついて行く事にした。

更に暗くなる廊下の突き当たりの大きな扉の前に来ると、女がキョロキョロと辺りを見回し、急いで扉を開け、グイッと押し込められた部屋は、やけに広い便所の様な、風呂の様な、薄っすらと糞尿の不快な香りが漂う部屋だった・・・

まとめ

次回は怒涛のガトゥーイ攻撃が僕に襲いかかって来るのでお楽しみに・・・

皆様のタイでの面白エピソードをコムローイに来て是非聞かせて下さい！
「タイ面白エピソードオフ会」をコムローイで美味しいタイ料理を食べながらやりましょ～～！