毎週日曜日に更新の「誰でも無料で聴ける」ポッドキャスト（いわゆるインターネットラジオ）番組「スタジオスモーキー」を主宰しているカルロスです。

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韓国における根強い年功序列の考え方

今週も韓国に関して、僕の韓国人の友人であるパクさんのお話しを元に進めて行きたいと思います。

「第146回ソウル在住の友人パクさんが語る、今の韓国とは？　現地収録音源でお送りします。」

前回は韓国に未だ根強く残る「年功序列」の考え方から来る「息苦しさ」についてお話しをしました。
「力」を持っている立場の人間からすると、非常に快適な世界とも言えますが、上には上が居るのもまた人間社会における常。

その度合いが緩ければ緩い程、社会的な抑圧感から遠ざかって行くのだと思いますが、韓国社会においては、それを期待するのはなかなか厳しいようです。
そして、その社会的な抑圧感がいわゆる「各種ハラスメント」を容易に生んでしまう原因のひとつになっているのだと思います。

想像以上のハラスメント社会？

パクさんとの話しの中で最も驚いたのは、職場におけるハラスメント行為、いわゆる「パワハラ」です。
一般的に韓国では40歳くらいになると、極一部のエリート層を除いて職場における「ポスト」が無くなり（日本における50代の社員へ対する「役職定年」に近いのかも知れません。）そこから去る選択を強いられるケースが多い様です。

しかし全員がその選択をするはずもなく、中には立場が悪くなってもそこに留まる事を選択する人も居ます。そうするとどうなるのか？
もちろん全ての会社がそうでは無いと思いますが、一例としてパクさんが挙げてくれたのは下記の通りです。

・仕事を全く与えない
・勤務時間中、事務所内から出さない
・そして、やるべき事として告げるのは「あなたは壁を見ていて下さい」

日本でも「窓際族」などと称して閑職に追いやったり、或いは、「追い出し部屋」みたいな部署に押し込んだりと言う事は有りましたし、今も存在するのかも知れません。

しかし、いくらなんでも「勤務時間中はずっと壁を見ていなさい」とまでは言われないでしょうし、また言えないですよね。

それを、働き盛りとも言える40歳の声を聞いたタイミングで告げられるとしたら、その心中や察するに余りがあります。

それでも、大企業務めはまだマシ？

そんな光景を見つつ仕事をして来ているので、「自分が40歳になったらどうするか？」と言う意識を抱えながら働いている人が多いと想像出来ます。
その次への選択肢として「起業」や「独立」が有りますが、そのステップを考えてもやはり大企業務めはかなり有利だそうです。
その大きな理由のひとつは、やはり賃金です。

一般的に勤労者の中で10%を切る割合の大企業勤めと、それ以外の中小企業勤めとの比較では、下手をすると倍くらいの賃金格差が生じてしまいます。
また多くの中小企業は大企業の下請けとして生きる他無く、自動的に大企業に生殺与奪権を握られてもしまいます。

これは日本でも同じ様な社会構造と言えますが、その彼我の差は相当なものだと思われます。
元々の賃金にそれだけの差が有ると、「第二の人生」を始めるに当たっての軍資金にも相当の差が生じてしまいますし、また、当然人脈や各種コネクションにも差が出るでしょう。

そんな事から、みんなが大企業勤めを目指して苛烈な競争を繰り広げ、それが過度な学歴社会を生み、親は子供の教育に対して相当の資金をつぎ込む必要性から少子化が進み、それを見ながら育った若い世代は結婚を避ける、と言う流れが生じているのでしょう。

反面「年功序列社会」では有るにしても、高齢者への社会的ケアが乏しいのも韓国の特徴のひとつとも言えます。
家族で面倒を看る、と言う旧来からの儒教的、社会的価値観から来ているのでしょうが、現役世代が自分たちが生きて行くだけで精一杯な状態の中で、例え実の親であろうと充分な支援（金銭的な）など出来るはずも無く、社会保障制度が貧弱な中では高齢者の日常が苦しくなるのは当然の事なのでしょう。
これも、先々を考えると「息苦しさ」を感じる理由のひとつなのだと思います。

女性の社会進出に関して

年功序列に加え、伝統的に男性社会なのも韓国の特徴です。
しかし今の時代において女性の社会進出は当たり前の事ですが、我が国やお隣の国、中国などと比較するとどんな感じなのでしょうか？

次回は、その辺りのお話しを詳しくお伝えします。

今回も最後までお読み頂きありがとうございました！