「英雄色を好む」は、何も男だけに当てはまる言葉じゃありません。

外国人初のロシア皇帝として、34年も女王として君臨したエカチェリーナ２世は、気に入った男を次々に愛人にして食い漁った“絶倫女帝”としても知られています。

漫画にも映画にもドラマにもなっているエカチェリーナ２世。
先に申し上げておくと、長年国を統治してきただけあって有能です。国内の教育や文化の発展に努め、戦争に勝ち進んで現在のウクライナ、ベラルーシ、リトアニア、ラトビアなどの領地も獲得しています。
もっとも、その政策は貴族に好評でも農民には厳しいもので、何度か反乱を起こされていますが。

そんなエカチェリーナ

じつはロシア人じゃありません。ドイツの小貴族の娘です。
しかし母方の伯父が当時の皇帝・エリザヴェータの婚約者だった縁で、当時の皇太子の花嫁候補リストに加えてもらいます。

このとき彼女は14歳。嫁に選ばれるために、ロシア語を猛勉強して、勉強のしすぎで高熱でぶっ倒れて……。これにロシア国民が「なんて頑張るコなんだ！　素晴らしい！」と心を揺さぶられて、花嫁レースに勝利したとか。
のちの辣腕ぶりを考えれば、じつは国民のハートをつかむための作戦だったのでは、なんて説もありますが、ともあれ、みごと王族の仲間入りを果たしました。

しかしこの結婚相手というのが、貴族階級のエリート連中から嫌われまくりの不人気皇太子。
そのうえブサイクでアホで包茎で、いい歳して兵隊ごっこに夢中な厨二病。極めつけは“不能”であったこと！

世継ぎがいなければ自分の子孫は残せない。さらにエカチェリーナは結婚前からオナニー大好きで性欲旺盛。
それなのに「インポなので子供が作れません。というかセックスできません」だなんて、エカチェリーナにとっては二重のショック！
結果、彼女は結婚してから７年間も処女のままでした。

これを気の毒に思ったか

エリザヴェータ皇帝は３歳上のプレイボーイ、セルゲイ・サルティコフを“愛人”にするように勧めます。エカチェリーナの愛人遍歴、記念すべき第一号です。

もともと性欲旺盛でエロいことに興味津々だったので、当然のようにセックスに溺れまくったエカチェリーナ。いろいろあってセルゲイは左遷されますが、一度覚えた快楽の味を忘れられるわけもなく、すぐに宮廷のサロンで次の愛人を探し始めました。
そしてイギリスから来た23歳のイケメン、スタニスワフ・ポニャトフスキをゲット。
ふたたびセックス三昧の日々に突入！

スタニスワフが帰国したあとはマッチョの近衛兵を、そのあとは年下の美青年、有名軍人、早漏中年、イケメンＤＱＮ、上品紳士、童顔草食系……ちょっとキリがないので、ここらへんでやめておきますが、とにかくエカチェリーナには常に愛人がいました。
タイプが多彩なので、いろんな男を味わってみたかったのでしょう。

ちなみに、エカチェリーナが皇帝になったのは、マッチョの近衛兵が愛人だった頃。
例の皇太子が皇帝になっていたのですが、あまりのアホさと横暴さに、家臣も聡明なエカチェリーナを支持。クーデターを起こして玉座を奪い取っています。

閑話休題

途中からは愛人探しにも新システムが導入されています。
それは、エカチェリーナの好みと思われる“有望株”を見つけたら、ルックス、スタイル、セックスのテクニックやペニスのサイズなどを調べさせて、合格した者を愛人にするというもの。

エカチェリーナ公認の愛人は12人とされていますが、このシステムを利用して食い漁った男の数は100人を超えるとか。
また、５人目の愛人だったグリゴリー・ポチョムキンは、カラダの関係がなくなったあとも有望株を送り込み、彼女からの信頼も厚かったようです。

昼は公務、夜はセックス。
その性欲は60歳を過ぎても衰えることなく、最後の愛人は22歳の超イケメン君。孫ほど年の離れた相手と夜な夜な激しく絡み合い、本当の孫のニコライ１世に「玉座の上の娼婦」と酷評されてしまいました。

享年67歳。
歴代の愛人に与えた“お手当”の総額は日本円で約2800億円！
紙幣の肖像にもなっているほどの偉大な女帝は、羽振りが良くてエネルギッシュでエロエロです！

本日のエロ偉人
名前：エカチェリーナ２世（1729年～1796年）
性別：女
国籍：ドイツ→ロシア
日課：愛人探し

—————————
（文：喜助）