日本に出稼ぎに来ている多くのタイ人コックは年に１度、１か月ほどタイの実家に一時帰国するのが一般的です。その際に地元の家族や友人らに、日本土産を買って帰ります。

女性コックに人気の土産は資生堂の化粧品で、男性コックに一番人気なのは、なんと「大人のオモチャ」なのです！
コックさんらは、地元のエロ友だちからいくつもリクエストされているらしく、毎回かなりの量を購入します。

一時帰国を控えたコックさんらは、休憩時間にアダルトショップに行き、バイブなど大人オモチャを購入。
店に戻ってくると、箱からバイブを出して、わざと女性アルバイトらの前で動作確認をしたりするのです。僕がバイブを取り上げると、必死に取り返そうとするのが恒例行事になっています。

以前、ティンとペンという東北部（イサーン）サコンナコン県出身の馬鹿夫婦がいました。奥さんのペンは一時帰国する際、旦那のティンが買ったバイブをタイに持ち帰り、旦那の友人にお土産として渡すという任務を任されました。
ペンは来日して５年以上経っているにもかかわらず、一時帰国の際は毎回、「一人で成田空港なんて行けないし、飛行機の乗り方も分からない」と、誰かに連れて行ってもらっていました。

その年は、日本に長く住んでいるバイトのトーイさんに成田まで連れて行ってもらい、チェックインしている時に事件は起こりました。

日本語も英語も全然分からないペンは、チェックインカウンターにトーイさんを無理矢理引き込もうとしましたが、空港警備員に断られ、渋々一人でチェックインすることに。トーイさんに「チェックインが終わるまで、近くのバリケードの外から係員の話を通訳し、指示を出してほしい」と頼み、チェックインに挑みました。

トーイさんによると、女性係員は「水分が入ったペットボトルなどは機内に持ち込めないので、取り出してください」と話しているとのこと。
ペンが「ジェルもダメなのか？」と尋ねると、係員は「どんな物か見せてください」と要請。すると、ペンはなんと、ピンク色の立派なバイブを突き出し、「これの中身はジェルかもしれない」と騒ぎ始めたのです。

バイブを持ち込んでいることなど知らなかったトーイさんは、あまりの恥ずかしさに耐え切れなくなり、「それを係員に渡しなさい。信じられない。後は知らないから！」と伝え、その場から足早に立ち去ったそうです。

トーイさんは翌日、店に出勤して空港での出来事を皆に説明。大爆笑するスタッフらに紛れ、バイブをペンに託した張本人のティンも笑い転げていました。馬鹿に付ける薬はありません……。